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無職半年の覚悟と挑戦:30代エンジニアが選んだフィリピン留学
さて、今年2024年の秋にフィリピンに英語の語学留学に行くと決めて各種申込みも完了し、日本から旅立つまで残り3ヶ月を切りました。仕事を辞めて留学に発つので、再就職するまでの期間は無職となります。留学 ...
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以前の記事でもお伝えしていた通り、フリーランスのエンジニアとして働くことになりました。
といっても僕の場合は組み込み系エンジニアなので、ずっと自宅勤務ではなく週5のオフィス出社になるのですが。
僕はそれまで勤めていた会社を退職し、フィリピンに語学留学を実施。日本に帰ってきてからは正社員/フリーランスの両面でずっと求職活動をしておりましたが、当初の予定通りフリーランスとして働くことにしました。
今回は転職活動の様子や、なぜフリーランスとして働くことにしたのかについて書いていこうと思います。
正社員への応募の真意
以前から僕はフリーランスとして働くことをかなり意識しており、その理由などについても過去の記事で何度か言及しておりました。フリーランスとして働きたい理由(≒会社員に向いていない理由)としては下記の通り。
- 自分の頑張り次第で単価を上げたい
- 技術力を身に着けたい
詳細については後述しますが、今までの会社員生活から「自分は会社員に向いていない」と嫌と言うほど痛感させられていたのです。そこでフリーランスとして働くことを決意しました。
とはいえ会社を退職して無職になり時間もあり余ったことなので、せっかくだからと興味のある大手の企業は片っ端から受けてみようと思ったのです。
- 今のキャリアで自分はどこまでの企業にリーチできるのか
- フリーランス案件とは別に保険として受けておきたかった
- 単価を釣り上げるための交渉材料にしたかった
やってよかった正社員転職活動
転職活動の結果としては
- 東証プライム上場企業に5社応募
- 4社書類通過
- 1社最終選考実施(結果としては不合格)
となります。
成果としては正社員の内定は出ませんでしたがそれでも僕は大満足でした。
というのも元々Fラン文系大学出身でアラサーになってからエンジニアになった自分がたかだか数年経験を積んだだけでプライム企業に書類が通過するだけでも大きな自信となったのです。自分が大学生の頃にプライム企業に応募したって学歴フィルターで弾かれて、恐らく履歴書のデータすら先方に届いていなかったでしょう。
それが自分なりにキャリアを考えて転職をしてきて、それと同時に資格も取って、いわゆる「映える職務経歴書」を作ってきた結果プライム企業にリーチできただけでも自分のやってきたことは間違ってはいなかったんだと自信になりました。
さすがに40代に入ってしまうと難しいでしょうが、30代の間であればもう一回ぐらいは挑戦できるのでは? と思いました。
面接は慣れ
今までの転職活動はだいたい1~2社受けたところで内定が出てしまっていましたし、それに社会人経験も浅かったので大したことも聞かれませんでしたが、今回は色々と深いところまで突っ込まれて質問されました。
正社員での転職活動に先立って、フリーランス案件の面接も何社か受けていたのですが、面接も3社受けたぐらいから「いつも何が聞かれるか」や「それに対してどう答えればよいか」が感覚が掴めてくるので、面接は受ければ受けるほど楽しくなってきましたね。
転職活動は本命順に受けていくのがセオリーと言われますが、面接に慣れていないのであれば最初に3社ぐらい適当な会社を受けてから本命に行ったほうが良いなと思いました。まぁ行く気のない企業の面接を受けるのはどうなんだって話ですが、企業も企業で取る気のない志願者を「一応」ぐらいのつもりで面接したりするので、そこはお互い様でしょう。
キャリアを積んだ転職の面接は厳しいことは言われない
転職の面接では志願者がそれなりにキャリアを積んできているので、面接は基本的に「こちらが今まで何をやってきたか」のスキルチェックがメインになり、厳しいことはほとんど言われません。「さすがにプライム企業相手では手厳しい質問も来るだろう」と覚悟していましたが、そんなこともなく、どの企業も非常に温和な雰囲気の中で面接が進みました。
新卒採用のような経歴だけでは志願者に差がつけれないような状況であれば突飛な質問でゆさぶりをかけてくるのでしょうが、転職の面接はそうでもないようです。少なくとも僕は今回の転職活動で嫌な思いは一切しませんでした。むしろ「こんなに楽しく面接ができるなら1年に数社コンスタントに応募してみようかな」とすら思いました。
自分の仕事への向き合い方への甘さに気付かされた
- 現在興味のある技術は?
- 要件定義/基本設計/詳細設計を行うときに何を気をつけていた?
- 自身が担当した制御アクチュエーターの特性は?
上記は面接の中で聞かれた質問です。
こうやって文字にして冷静に見ればなんとでもない質問ですが、面接の中で聞かれると咄嗟にはうまく答えられませんでした。特に要件定義あたりの質問に関しては「求められる機能を実現できているかを気にしながら定義を行っていました」と傍から聞いていると「なんだその当たり前の回答は」と呆れるような回答をしてしまいました。
答えに詰まってしまって無言になるということはありませんでしたが、自分で回答していて「浅いな~」と思うことが多々ありました。これはやっぱり日々の仕事の中で「自分はなんのために」「何を見据えて」ということを常に意識しながら働かないとダメだなと思いました。
なぜ会社員を辞め、フリーランスになるか?
さてフリーランスの仕事ですが僕は非常にワクワクしています。
今までの会社員生活では窮屈さばかりを感じていましたが、今度はフリーランスとして現場で技術力を磨き、自分の頑張りにより単価をガンガン上げていきたいと思います。
ここではなぜ僕が会社員を辞め、フリーランスになろうと思ったかについて書いていきます。
会社員に向いている人間ほど、会社員に向いていない
僕は会社員に非常に向いている性格がゆえ、会社員に向いていないのです。
一行で矛盾するようなことを言っていますが、これは真実。
例えば僕は悪い意味のお人好しで、組織として仕事が円滑に回るよう、言われてもいないのに右往左往してしまうのです。しかしそういった会社の中での右往左往は成果が数値化できるわけでもなく、どれだけ頑張ろうとも給与や賞与に反映されないのです。
代わりに「他人の業務の効率化なんて関係ねぇ!! 俺は俺の成果を追い求める!!」という会社員に向いていない人間ほど会社組織の中で大きなリターンを得てしまいます。
大手ほど技術力が身につかない
組み込み系の大手企業の多くがそうだと思いますが、大手になれば大手になるほど現場作業というのは協力会社や派遣に丸投げで、プロパー社員は日程管理しかしていないという状況が起きます。漏れなく弊社もそうでした。
自分の場合は文系上がりから手八丁口八丁でここまで来ているので、確固たる技術(開発スキル)がないことに非常に危機感を覚えていました。
特に自分の会社や周りのIT企業でもAIの発達でひとつの部門が丸ごとリストラされている姿を見たのには大きな衝撃を受けました。弊社ではAIの登場で事務部門が大幅(というか部署丸ごと一つ)リストラされたのです。現場で開発をやっておらず日程管理にような事務作業しかやっていない人間はいつかAIに立場を奪われてしまうという危機感を強めました。
意味のない作業が多い
会社員には意味のない作業が多いです。
期首に行う賞与評価のための目標設定と目標面談。現場に出て数値化しやすい仕事をしていれば目標設定も容易ですが、マネジメントとなるとなかなか目標を決められません。大きめの目標を設定するよりも、すぐに達成できそうな目標を確実にこなすほうが結果として評価は高くなりますし、仮に大きな目標を達成したところでチーム全体の売上が少なければ賞与も高くはならないのです。
無駄な売上・工数報告も仕事のやる気を大いに削ぎます。報告を行ってどこか業務上のボトルネックがあったとしても「現場で頑張れ」しか言われないのですから、毎月毎月その場限りの数字の報告をしている徒労感が半端なく「こんな無駄な報告をしているぐらいなら仕事に集中させてくれ」と思っていました。
他にもプロパー社員は会社の様々な研修に参加させられます。コンプラ研修だのセキュリティ研修だの、分かりきった形だけの研修を受けさせられるのには辟易していました。
ワクワクしているフリーランスの仕事
フリーランスになるにあたっては当初は『レバテックフリーランス』というフリーランス専門のエージェントを利用していましたが、途中で既に企業と直契約をしている知人の紹介で、自分も企業と直で案件を受注することが出来ました。それに案件としても現場でソフト開発をゴリゴリできるということで、自分の望む仕事ができそうなのです。
自分が会社員に向いていない理由を踏まえ、これから始まるフリーランスの仕事には非常にワクワクしています。
というのもコツコツと勉強するのが好きで、ここ7年ほど毎日1時間以上勉強することを義務付けています。会社員時代にやっていたような無駄な作業は回避しつつ技術力を身につけることに専念し、スキルを確固たるものにしたいと思います。
それに現場では成果をゴリゴリと出して、単価をガンガン上げていきたいと思います。自分は「こうすれば結果が出るのではないだろうか?」と企んで色々と動くことが好きなので、そういう企みのもと、自分で単価交渉もしていきたいのです。
現場で英語は使うのか?
仕事を辞めてフィリピンに語学留学に行ってきたのだから、今度の現場では英語を使うのか? といった疑問が湧くと思いますが、結果としては英語は使いません。
「それじゃあ百万円以上費やした上にキャリアに穴を開けたのに意味がないじゃないか!?」と思われるかもしれませんが、僕としてはそうは思いません。
結果としてビジネスレベルまでは到達できませんでしたが、日常会話レベルであれば英語を話すことが出来るようになり、また海外に滞在した経験は人生の大きな宝となりました。
大声で「自分は英語が武器です!」とは言えませんが、それでも一応英語は話せるようになりましたし、もしどこかで会社から海外出張を命じられてもそれなりに対応できるでしょう。
「自分にはビジネスパーソンとしての武器がないな… 将来どうしたら良いんだ」と漠然とした不安の中で生きるよりも、ダメだったとしてもやるだけやったほうが後悔がないし、それはそれでまた新しい道が拓けるものです。僕は留学したことを全く後悔していません。
でもフリーランスの怖さもある
ワクワクしているフリーランスの仕事ですが、やはり怖さもあります。
何を言っても身分は保証されていませんし、一度自分が体を壊してしまえばそこで収入は途絶えてしまいます。ひとたび不況になればフリーランスは真っ先に切られてしまいます。
それでも僕はフリーランスをやってみようと思うんですよね。
今は自分には会社員に向いていないと思っていますが、実際にフリーランスをやってみれば会社員のありがたみなどが分かって、これから会社員に戻ったとしても身分に感謝しながら仕事ができると思うんです。
語学留学もそうでしたが、なんでもやってみないと分からないですからね。
ウダウダと文句をたれながら仕事をするよりも僕はやるだけやってみてイキイキと仕事をしたいと思います。
以上が自分がフリーランスのエンジニアになった経緯です。
今はまだ仕事が始まる前で分かっていないことも多いですが、仕事が始まるのをとても楽しみにしています。
また仕事が始まってしばらくしたら現状やフリーランスエンジニアのメリット・デメリットなどについて報告していきたいと思います!