台風や大雨、地震などの天変地異が起こるたびに、社員に無理に出勤させようとする会社とのやり取りが必ずネット上でバズりますが、僕はそれを見るたびにどうしてもモヤモヤしてしまいます。
社員としては天変地異が起きてとても会社に行ける状況ではないので自宅待機をしたいのでしょうが、少なくとも社員サイドから「出勤させるよりも自宅待機させたほうが会社にとってメリットが有る状況」に持ち込まない限りは、会社は社員に出勤させようとするのは当たり前だと思うのです。
この場合社員側としては暗に「出勤はしたくないけど、(そのせいで売上が下がっても)給料はそのままでよろしくお願いします」と言っているわけなのですが、そりゃ会社はそんな要求を素直には飲めないわけですよ。
売上が下がった分の補填は一体どこでする?
災害が収まったあとで必ず巻き返せるのか?
社員を自宅待機させたことで取引先からは「あの会社はいざという時に頼りにならない」と思われないか?
仕事でも日常の人間関係でも人は自分にとってメリットがある事しか動けません。
例えばこれは僕自身の体験談ですが、僕は新卒で入った会社で月100時間以上のサービス残業をさせられてたんですね。
世間的には僕よりももっとサービス残業をさせられている方もいるかとは思いますが、当時の僕は100時間も残業していると常に頭はフラフラぼんやりとしている状況で、その窮状を何度も上司に話しましたが、上司は一切動かなかったわけですよ。
なぜなら上司にとっては僕に仕事を全部押し付けて定時で帰れている現状をざわざわ変えるメリットが何もなく、僕の言うことを聞いたところで自分の仕事が増えるだけで一切良いことがないんですね。
その上僕が新卒で就いた仕事は事務職なのですぐに転職できるようなスキルが全く身についておらず、上司も「どうせコイツは辞めないだろう」とタカをくくられていたので、結局僕が辞めるまで状況は何一つ変わらなかったのです。
今思えばサービス残業で訴えれば確実に勝てる案件なので弁護士にでも相談して、その弁護士の名刺でも、弁護士と話した内容の議事録でも上司に突きつけて「僕に仕事を押し付けたままでいると、裁判で敗訴して今以上に面倒くさい状況になりますよ。僕に仕事を過度に振るのを辞めたほうが良いですよ」と言えばよかったと後悔しています。
話は戻って昨今の天災が起きても社員を無理に出勤させようとする会社のお話ですが、もし会社に無茶を言わせたくないのであれば
- 社員同士で結託して、出社をボイコットする
- 自宅待機をすれば国から貰える補助金を探し出してくる
- 自宅待機で生まれた損失を今後カバーできるだけのプランを提示する
などの具体的な会社にとってメリットのあるプランを提示しなくてはなりません。
もし「どう考えてもこのプランを採用したほうが会社にとってメリットが有る」のにもかかわらず会社がそれを採用しようとしないのであれば、その会社はまごうことなきブラック企業なのでサッサと転職をしたほうが良いでしょう。
サービス残業を100時間以上もさせられていた経験から僕は会社というものが好きではありません。が、とはいえ文句ばかり言っていても会社は動かないというのを痛感させられたのも紛れもない事実です。
だから今僕はプログラミングと英語という「いざというときは会社に頼らなくてもフリーで仕事ができるスキル」を必死になって身につけようとしています。もしこのスキルが有ればなにか会社から無茶を言われても「いや、僕には他所でやっていくスキルがあるんで無茶言うなら辞めますよ」と言い返せるようになるからです。
もし会社から無茶を言われたときは、どうやったら自分にとっても会社にとってもメリットが有るプランを提示できるかを考えることが第一だと思うのですね。メリットもないプランは会社も採用できないできないわけで、そこに考えが至らないまま「会社は一体何を考えているんだ!!」と叫んでみたところで会社も社員もお互いストレスをただ溜めてしまうだけで誰も得しない。
だからこそ時間をかけるべきところに時間をかけ、そうでないところはそれ以上踏み込まないようにすることが大切だなと思った一件でした。