初心者が組み込みのことを学ぶならどうすればいいんだろ。
Winスクールっていうプログラミングスクールが評判良さそうだけど、実際はどうなんだ?
ほんとに初心者からでも授業を理解できるのかなぁ?
今日はそんな疑問にお答えします。
Winスクールに通学していました
実は僕、先月までWinスクールというプログラミングスクールに通っていました。
そこで『組込みシステム開発(マイコンボード)』と『CAN通信』という授業を取っていまして、これが非常に満足のいくカリキュラムだったんです。
僕は普段本職としてC言語の組み込み開発を行っていまして、主に家電製品の「仕様検討」という仕事をしています。
それが今年のゴールデンウィークぐらいに転職活動をしたところ、どうやら僕は市場では全くプログラミングが出来ない人間と思われていることが判明。
というよりも「仕様検討」という業務内容が他人に伝えるのが簡単ではなく、仮にうまく伝わったところで「うちの会社でその仕様検討のスキルって活かせられるの?」と言われてしまうものなのです。
ということで自分のスキルを証明するために電子工作をすることにしたのですが、電子工作は独学でやるにはなかなかハードルが高いので、スクールに通って勉強することにしました。
名古屋でマイコン制御を教えるのはWinスクールぐらい
ということで、電子工作ができるようになることが目標のため、マイコンの扱い方を教えてくれるスクールを探したところ『Winスクール』というプログラミングスクールがヒットしました。
僕の住んでる名古屋・・・というか愛知県でも名古屋駅・栄・刈谷・豊田と4つの場所で開校しており、どの校舎も交通アクセスがよく、しかも会員になると愛知県内だけでなく全国どの校舎でも授業が受けられるということなのでWinスクールに通うことに。
そもそも全国的に見てもC言語を扱うプログラミングスクールってWeb系(HTML/CSS/JavaScript)に比べたら需要の割に少なく、しかもマイコン制御までやるところといったらWinスクールぐらいしかありません。
そしてマイコン同士のデータ通信方法であるCAN通信を学べるとなると、Winスクール1校となります。
CAN通信というのは主に車載系マイコンに使われるデータ通信方法で、本当であればもっとポピュラーなデータ通信方法であるI2CやSPIを教えてほしかったのですが、CANを学んでいるとトヨタ系で即座に開発に携われるようになるということで、こちらも受講することにしました。
それでWinスクールに通った結果、こんな電子工作ができるようになりました。
(スクールで学んだことを活かして家で作りました)
これがどんな機能を持っているだとか、制作過程のお話などは別記事にしておりますので、そちらを参照ください。
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授業内容について
Winスクールでの授業は基本的に与えられたテキストをそれぞれで勝手に進めていき、質問があれば傍で待機している講師に質問をして疑問を解決するスタイルになっています。
なので "プログラミングスクール" と聞いてみなさんが想像するような「どこかの教室に生徒が集まって、講師が解説して、それを生徒がノートを取っていく」というような講義スタイルではありません。
テキストはクラウド上に保存されていて、生徒はそのアクセスアカウントをもらえるので、どの校舎でも、また家からでも読むことが出来ます。
それとはまた別途テキストをすべて紙に印刷したものももらえるので、どこでも復習ができるシステムになっています。
カリキュラムの分かりやすさ
このWinスクールでは、スクール側でマイコンと電子工作用の部品を用意してくれていて、こっちとしては手ぶらで校舎に行けばいいわけなのですが、ここで使う学習用のキットがまぁほんとに勉強のしやすい教材でして。
学習用のキットというのがArduinoとGroveスターターキットというものになるのですが、これが「初心者が陥りやすいミス」をほんとに防いでくれる。
普通電子工作というと、ジャンパー線という電線を使ってマイコンと部品をつながないといけないのですが、このジャンパー線というものは本当によくつなぎ間違えてしまうは断線しやすいはで、「あれ、部品が思うように動かないぞ!」となりがちなんです。
ただ初心者からすると、接続先部品が思うように動かないときにそもそもマイコンがダメなのか、ジャンパー線が断線してるのか、ジャンパー線をつなぎ間違えているのか、接続先部品が故障しているのか、そこの判別が物凄く難しい。
ただこのGroveスターターキットを使うと、そういったジャンパー線の接続という煩雑な作業を省略して、一つプラグをカチッとはめこむだけで、部品との接続ができてしまうんです。
まず初心者はこういう躓きやすいポイントを避けて「プログラムが正しく動くとどうなるか」という部分を知っておくべきなんですよ。
先に正解を知っておけば、思うように動かなくなっても比較的スムーズに対処できてしまう。
僕もWinスクールで正解の動き方を学べたおかげで、家で一人で電子工作を行ったときもかなりスムーズに作業を行うことが出来ました。
そして肝心のテキストもこれがほんとに初心者目線で丁寧に書かれていて、トータルで50時間ぐらいWinスクールで勉強していましたが、講師には2回ぐらいしか質問しませんでした。
それぐらい質の高く、初心者に向けて優しく書かれたテキストになっていました。
では具体的に何が良かったかと言うと、「手順を省かない」ということなんです。
例えばカリキュラムで1ページ目でAという単元を学び、2ページ目でAを踏まえてBという単元を学ぶ、3ページ目でA・Bを踏まえてCを学ぶとすると、普通の参考書ならば3ページ目で「AとBは1ページ目と2ページ目に書いてあるのでそれを参照すること」と省略しちゃうじゃないですか。
しかしWinスクールの場合だとCの作業をやるときに、AとBの作業も全部載せる。
過去の作業をページをめくって行きつ戻りつしていると、一個作業を飛ばして意図通りにならないってことがよくあるじゃないですか。
それがWinスクールでは必要な作業を全部記載しているから、テキストに従っていれば意図しない動作になるということがない。
これが初心者には本当にありがたいことなんです。
不満点はほぼなし
以前『Tech Academy』というオンライン上でWeb系言語が学べるスクールを受講していた時は不満タラタラでしてが、このWinスクールに対しては不満らしい不満はほぼありません。
ただしちょっと注意しておきたいのが、このWinスクールでC言語の基礎が学べる『C言語プログラミング』という講座があって、それが35時間で完結するのですが、さすがにC言語の基礎は35時間では無理だろ、と思うのです。
ここは僕は授業を受けていないのでなんとも言えないのですが、僕のこのレビューを見てC言語を全く触ったことのない人が「そうか、Winスクールは良いのか。ならここでC言語の基礎から学ぼう!」と言って『C言語プログラミング』から学びだしてしまうとちょっと危険かなと。
C言語の基礎については過去に僕が別記事にしておりますので、そちらを参照ください。
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以上がWinスクールの『組込みシステム開発(マイコンボード)』と『CAN通信』のレビューとなります。
僕のように「電子工作がやってみたいなぁ」であるとか、実際に組み込みの実務に入ってしまっていて、「もう一度基礎から学びなおしたい」という方には是非おすすめなスクールです!