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AmazonPrime 映画

日本を舞台にしたベーシックかつクラシックな名作バディ・ムービー『ブラック・レイン』

 AmazonPrimeで『ブラック・レイン』を観ました。

上映時間

 125分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★★★★

 

ストーリー

 汚職の嫌疑をかけられたニューヨーク市警の刑事ニックは、同僚チャーリーと訪れたニューヨークのレストランで、日本のヤクザ・佐藤が別の日本人を刺殺する事件に遭遇する。激しい格闘の末に佐藤を逮捕したニックたちは、大阪府警に彼を引き渡すため日本へ向かうが、大阪の空港で逃げられてしまう。言葉も通じず捜査権限もない大阪で佐藤の行方を追うニックとチャーリーは、監視役の松本警部補とともに捜査を進めていく。しかしそんな彼らを挑発するかのように、佐藤が新たな事件を起こす。<映画.com>

 

感想

 昨日何気なくAmazonPrimeを開いたところ、トップに『ブラック・レイン』が出てきたので、思わず再生。気づけば最後まで観てしまいました。

 さて本作『ブラック・レイン』はリドリー・スコット監督×マイケル・ダグラス主演による大阪を舞台にした1989年公開のハリウッド映画。僕は今までこの映画を事ある毎に繰り返し観ておりまして、恐らく通算50回以上は観ているでしょう。

 公開から30年以上が経過しているため、今から新たに観る人にとっては多少の古臭さはあるものの、それでも本作は不朽の名作だと自分は信じています。

 そこで今回改めて、なぜ『ブラック・レイン』が名作なのかについて語っていきたいと思います。

マイケル・ダグラスと高倉健の友情の物語

 本作はマイケル・ダグラスというアカデミー賞俳優が日本(大阪)を舞台に物語を展開する作品です。

 ニューヨークの型破りな汚職刑事であるニック(マイケル・ダグラス)は日本の融通の効かない刑事である松本(高倉健)と手を組むものの、本人たちの性格からバックグラウンドまで何から何まで異なるため常に反目し合います。しかし互いの「佐藤を逮捕する」という目的からやがて協力し合い、最後にはかけがえのない存在になります。

 典型的なバディムービーであり、箇条書き的にストーリーを書き出すと古臭さしかありませんが、逆にそれが今見るとシンプルで力強いストーリーとなっています。昨今のハリウッド映画はやたらとストーリーも映像もガチャガチャさせるので、結局どういう話なのかがよく分からなかったりまします。けれども『ブラック・レイン』の場合はキッチリと定石通りに話が進んでいくので安心して観ていられます。

 特にラストシーンは、それまで悪徳警官であったニックが松本に触発され、真っ当な道を選ぶようになるところがハンス・ジマーの情熱的な音楽と共に映し出され、映画自体も幕を閉じていくので非常に感動的です。

 

強烈な印象を残す松田優作の演技

 本作の悪役である松田優作はアカデミー賞を取ったばかりで、かつ大ヒット作を連発していたマイケル・ダグラスを相手に一歩も引けを取らない演技を見せます。

 特にこの時代の日本はハリウッドから悪意を持って描かれることが多く、中でも『ロボコップ3』のオートモのような「見た目は同じ人間だが何を考えているか分からない不気味な存在」が、その典型でしょう。(まぁオートモはアンドロイドなので不気味な存在なのは必然的ですが)

 松田優作は本作では外見こそ当時の典型的なアジア人悪役として描かれはするものの、本人の演技スキルもあって、チンピラから成り上がったサイコパスながらも彼独特の哲学があることが伺い知れます。

 優作がいくら日本国内で絶大な人気を集めていたとはいえ、ハリウッドの撮影現場では一介のアジア人アクターに過ぎません。恐らく現場でももっとステレオタイプ的な分かりやすい演技を求められたことでしょうが、そこに良い意味で松田優作的演技を持ち込めたことは驚嘆に値します。

 

レトロフューチャーな大阪

 こちらはどこのレビューでも言及されることですが、ハリウッドの名匠リドリー・スコットによって切り取られた大阪の姿は、普段我々が見ている日本の姿とは異なり、まるでSF映画の近未来都市のようです。

 公開当時は近未来都市のような姿であったものの、さすがに2026年現在本作を見直してみるとどこかレトロフューチャーな感覚を覚えます。この感覚は主人公ニックの心情と非常に重なり「(なんなんだこの街は…?)」と追体験をしているよう。

 当時のハリウッド映画にありがちな変な日本の描写も、あるにはあるものの時代を考えれば非常に少なく、許容範囲の範疇でしょう。そういった良い部分悪い部分含めて、別世界を体験を楽しめました。

 

 本作は日米の文化の違いを背景にいがみ合う二人を描いた傑作バディ・ムービーです。

 派手なアクションが展開されるわけではありませんが、異なる価値観を持つ者同士が反発しながらも、やがて互いを認め合っていく過程こそが本作の核心です。時代特有の粗さや歪みを含みつつも、それを上回る熱量と誠実さが確かに残っています。今なお語り継がれる理由は、そこに人間ドラマとしての強さがあるからでしょう。



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