努力に逃げるな。
僕はTwitterでも英語やプログラミングなどを取り扱った、いわゆる「お勉強界隈」に片足を突っ込んでいるのですが、そういった界隈に長らくいるとそこそこの頻度で「努力に逃げるな」というフレーズを見聞きします。
「努力に逃げる」とは、結果を出すために必要な真の課題(戦略や方向性の転換)から目を背け、ただがむしゃらに頑張っている自分に満足してしまう状態です。行動しているという自己満足感で安心し、本当の目標達成や成果から逃げている。
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そんなやつ実際に身の周りで見たことあります?
インターネットでもアラフォー、アラフィフのイケオジ俳優が20代の女性と結婚するニュースが飛び込んでくると「俳優の○○が20歳差で結婚できたんだから俺も行けると思って」とオジサンが若い子に行ったという被害報告が上がってきたりするのですが、それと同じぐらい「んなやつ現実にいねーよ! いたとしても稀だよ!!」案件です。
要するにこれは頑張りたくても頑張れないうだつの上がらない人間が自分が努力できない人間だと直視したくなくて「怠惰だから勉強できないのではない。戦略的に無駄な努力をしていないだけだ」と自分に言い聞かせるための慰めのフレーズなんですよ。
ただでさえ忙しい現代において自分のプライベートの時間を割いて実利のない努力を続けられるほど人のメンタルは強靭ではありません。世の中「いやいや、お前多少は努力しろよ」と言いたくなる人間と「お前それは努力に逃げてるだけじゃないの?」と言いたくなる人間、どちらが多いでしょう? それは圧倒的に前者でしょう。
仮に努力に逃げている人間がいて、その人に言うべきは「努力に逃げるな」ではなくて「その努力は結果につながる戦略があるか?」ということです。
例えば新人エンジニアがプログラミングを早く覚えたいと言っているのに必死に英語を勉強していたり、マッチョになりたいと言っている人間が筋トレをせずに栄養学ばっかり学んでいたら「さすがにそれは違うんじゃないの?」と軌道修正してあげるべきだと思います。ですが繰り返しにはなるものの、そういった本質から外れた努力を続けられるほど人のメンタルって強靭じゃないんですよ。続けていれば良くも悪くも正しい道に勝手に軌道修正されていくものです。
いやほんとにね、お勉強界隈って毎日毎日オリジナリティ溢れる「やらない理由」が登場するんです。
そういうやらない理由が登場するのはいいのですが、こちらがちょっと心が弱っているときにそういう言い訳を見ると思わず飛びつきたくなっちゃって、そこで挫折してしまうのがものすごくもったいないと感じているんです。
努力を継続するというのは本当に難しくて、僕は勉強記録SNSである『Studyplus』というアプリを使いつつ8年近く毎日約1時間の勉強を継続していますが、1日1時間の勉強はおろか、毎日記録を残す程度でも100人ユーザーがいたら1年後に残っているのは良くて10人ほどでしょう。
そして往々にして後に評価される努力というのは、やりはじめの頃に周りから揶揄されることが多いです。
自分は今フリーランスとして組み込み系(家電)エンジニアをやっていますが、フリーランスになる前の駆け出しの頃にTOEIC860点突破を目指して英語の勉強をしておりました。というのも自分はFラン私立文系大学出身であるがために、転職の場で職務経歴書を見せつつ「自分は現場でこんな実績を挙げました!」と言っても「(いやぁ~でも君、○○大出身でしょ? そこから3年ぐらいエンジニアとして経験があるって言っても、話盛ってるだけじゃないの?)」と白い目で見られることがほとんどでした。
転職で大手企業へのステップアップや、フリーランスとして高単価案件を獲得するために、何かしらの形で自分の地頭の良さであったり、継続的な努力ができるという証明のためにTOEICに挑戦していたわけですが、当時はまぁ陰に陽に色々言われました。冒頭の「努力に逃げる」ではありませんが「他にもっとやるべきことがあるのではないか?」は本当に言われましたね。
ではなぜ彼らが僕に対してあれやこれやと言ってきたかというと、もし僕がTOEICに限らず何かしらの努力をして結果を出し、それで好待遇を勝ち取ってしまったら「自分の待遇が悪いのは自分が努力していないからだ」と図らずも証明されてしまうからなのです。「やればできる」は「できないのはやってないからだ」の裏返しなのです。
結果として僕はその後TOEIC860点を突破し、大手企業に転職。その後にフリーランスとしても高単価案件を獲得できたわけですが、あの時努力を続けていて本当に良かったと思いますし、なかなか結果のでない時期は「本当にこんなことをやっていていいのだろうか?」と何度も諦めそうになりました。
人間、諦めるための言い訳をひねり出すときほどクリエイティブになることはありませんし、甘い言説に乗りたくなってしまいます。しかしそこはグッとこらえて努力を続けていきたいものですね。努力に逃げれる人間なんてまずいませんし、ましてや逃げの努力を続けられる人間などそもそも見たことないんですから。
