IT企業界隈で延々と語られるトピックのひとつに「未経験からエンジニアになる際に、一社目はどういった企業に入るべきか」があります。
そこでは各々の経験を元に「SESはスキルが身につかないからダメ」「派遣は低賃金だからダメ」「請負は委託元の言いなりになるからダメ」「自社開発はブラックになるからダメ」と意見を表明します。しかしこれからエンジニアになろうとしている未経験からすると―
いや、結局どこで働けばええねん
と思うことでしょう。それこそ教育研修も福利厚生も完備されている大企業に入るのが一番なのでしょうが、理系大学卒でもなければ新卒カードも使えなくなった第二新卒以降からするとそれは無理な話。ですがこれに対して僕は明確に回答があります。
一社目はガチャなので、悩むだけムダ。
迷ってる暇があったらサッサとIT業界に入って職歴を積め
今回はこちらの話について深掘りしていきます。
この記事の筆者
一般入試でも科目選択によっては英語を受験しなくても入学できるFラン大学出身。
20代後半でエンジニアに転身し、毎日1日1時間勉強を3年継続したところ、大手企業への転職に成功し年収150万円アップを達成。
一社目がガチャになる理由
まずみなさん想像してほしいのですが、もし自分の知り合いの大学生の子が「○○さんと同じ業界に行きたいのですが、ブラック企業は嫌です。具体的にどの会社に入ったら良いですか?」と聞いてきたらなんと答えるでしょう。ほとんどが答えに窮するはずです。
もちろん同じ業界の評判の悪い企業を2~3社挙げて「ここは評判が悪いから入らないほうが良いよ」ぐらいは言えるかもしれませんが、正直着任した現場がブラックかどうかはほとんどガチャのようなものです。例えばホワイト企業と言われる会社でも厳しいマネージャーがいるところはブラックになるでしょうし、はたまたブラック企業と言われるところでも着任した部署の業務内容が自分にフィットしていたり、上司と気が合えばある意味でホワイト企業にもなるでしょう。
そういった意味で自分のやりたい仕事や適性、今後のキャリアプランなどが見えていない状態で「1社目はどこがいいんだろう」と転職サイトを目の前に延々と悩んでいるのは時間の無駄なのです。とりあえずは色んな会社を見てみて自分と合いそうだと思ったところに飛び込んでしまえばよいのです。
というよりも1社目から自分にフィットした企業や業務にありつけることはまずありません。未経験に任せられる仕事など、どうしても代わりの効くテスターのような仕事になってしまうからです。とりあえずIT業界に入って色々と情報を収集しつつ、どうやったら自分に合った仕事に就けるかを考えましょう。
派遣をやって、業界のトレンドを知ろう
未経験からIT業界に飛び込むにあたって選べる形態は派遣かSESに絞られてしまうのですが、僕は派遣をオススメしています。というのも派遣は以下のようなメリットがあるからなのです。
- 設備投資が不要なので教育に力を入れていることが多い
- 色々な会社に社員が派遣されているので、横のつながりから業界のトレンド情報を得ることができる
- 仕事が合わなかった時に現場を変えるのが容易
一口に"派遣"と聞くと多くの方が拒否反応を示しますが、大手の派遣会社であれば"派遣会社の正社員"としてそれなりに福利厚生も保証されていますし、派遣された現場が劣悪な環境だった場合すぐに配置換えなどで対応してもらえるなど、ネガティブな要素は意外と少ないものです。これが"正社員"という響きにこだわって中小企業でSESしかやっていないIT企業に入ってしまうと労働環境が劣悪だった場合、上に相談しても組織として体制が確立していないため何も改善されないということが多々あります。
派遣会社を選ぶポイントとしては、とにかく教育研修が充実していること。できれば外部の研修機関と提携しているとなお良しです。というのも自社の研修は入社前であれば「誰でも利用可能でしっかりと教育します!」と謳われるものの、実際に入社すると大して利用もできず、それでいて教育もおざなりなことがほとんどです。ですが外部の研修機関と提携している場合、教育も一定のクオリティが保証されていますし、自分の意志で利用することができます。
例えば組み込み系のIT派遣企業で有名なテクノプロはプログラミングスクールであるWinスクールと提携していて、申請が通ればWinスクールの授業が受講し放題なのです。他にもオンラインで学習サイトのUdemyと提携している企業もあるなど、企業を選ぶ際は教育を軸に探すのが良いでしょう。
もしも一社目が合わなかった場合
とにかく最低でも1年続けて未経験の看板を外すことに注力してください。出来れば資格を取りつつ3年経験できるとベター。IT業界は1年経験していると書類の通過率が格段に変わりますし、3年経験していると更に面接が通りやすくなります。最初に就いた仕事が合わなければ現場仕事はほとほどで頑張りつつ、家に帰ってからプログラミングの勉強をする。特に基本情報/応用情報技術者試験に合格していれば言う事がありません。
IT業界に入って3ヶ月から半年もすれば業界全体のおおまかな流れが見えてくるはずです。どこの会社がお金を持っているのか、ITの仕事の中でもどんな業務があるのか、今後伸びていく技術はなにか。そうするとキャリアプラン的に今の仕事が自分に合っているか合っていないかの判断ができるようになります。
そこで転職をするにしてもまずは1年はやったほうが良いです。昨今のITの業界は人手不足で猫の手も借りたい状態ですが、とはいえ誰でもいいわけではありません。その際に「1年はこの業界でキッチリと仕事をしてきた」という証があると強い。1年以上のIT業界経験と取得資格があると転職の面接で以下のようなことが言えます。
今の現場は自分の志向とミスマッチでしたが、短期で辞めてしまうと市場では評価されないと思い、とりあえず1年続けました。その間に基本情報や応用情報技術者試験にも合格してIT全般の知識も身についておりますし、何より仕事後の勉強習慣も身につけることができました。
単純に今の仕事が嫌だから転職するのではなく、あくまでもキャリアアップのための転職であるとアピールする。それでいて1年で辞めることが市場ではどう見られるかも理解しているし、それに対してどうアクションを起こしたか、そして実績を出せれば面接官からの評価は高くなります。
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何事も第一歩を踏み出すときは勇気がいるものです。最近はインターネットの発達で色んな情報が得られるようになりましたが、それゆえに迷うことも多くなりました。
今回の記事ではなるべく具体的なアクションプランを書きました。これを観てIT業界にチャレンジしようとしている人の背中が押せればよいなと思います。
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