僕はここ2年ほど仕事から帰った後、家で毎日1日1時間勉強を継続しているのですが、勉強でもスポーツでも物事を継続するための "モチベーション" には2種類あると思っています。
1.天職系モチベーション
好きでたまらないから、周りから止められてもやってしまうもの
2.諦観系モチベーション
他にやれることがないと悟ってしまったため、半ば仕方なくやっているもの
社会的に成功する人は往々にして1の天職系モチベーションの人が多く、そういった人の出す本を読むと「自分の能力が最大限発揮できる天職を見つけよう!」だなんて書いているのですが、そうそう天職など見つかるわけはないのです。
僕なんかは完全に②のタイプで、できることなら1日1分だって勉強をしたくないのですが、アラサーになるまで人生のめんどくさいことから徹底的に逃げ続けてみた結果、いよいよ「あれ、これ、いい加減逃げ回ってると人生詰むぞ」と気付いてしまったわけですよ。
難しいのが、モチベーションって自分の意志ではどうにもならないんですよね。僕も学生時代は色んな自己啓発書に影響されて毎朝「今日3時間勉強する」という念仏を鏡の前で唱えてみたりもしましたが、効果はサッパリでした。
人生20年以上生きていると本気で好きだったオンナに逃げられたり、内心ちょっと馬鹿にしていた同級生が起業して成功している姿を見たりするとカーッと心がアツくなって勉強やら仕事を猛烈にやり始めるのですが、一週間もすると見事に元通りになると。
当時はよく「あぁ、自分も小説の主人公みたいに親友が死んだことでガラッと人が変わり、猛烈に仕事ができるようになったり、金持ちのオッサンに見初められてビジネスのイロハを教え込まれて一気にビジネスリーダーになれねぇかな」と思ったものでした。
テトリスの長い棒が僕の複雑怪奇なモチベーションパズルにある日スポッとハマり、一気にモチベーションの高い人間に変化できることを信じていたのですが、まぁそんなうまい話は無いですよね。
でもそういう「何とか楽できねぇかな」という思いと「楽はできねぇよ」という現実に跳ね返されるアクションを繰り返していると、それがボディブローのようにジワジワと効き始めて、ある時
「・・・勉強するか」
となるわけですよ。
最近お笑い芸人さんでもこの諦観系モチベーションの人が増えてきてると思っていて、キングコング西野さんはひな壇芸人全盛の時代に「自分にはひな壇は無理だ」と悟り、じゃあ他に何ができるかと考え「自分は絵がそこそこ上手くて、専業の絵本作家ではないから一つの作品に多大な時間がかけられる」というところに勝機を見出して絵本作家を始めています。
オリラジの中田さんも漫才やコントに挑戦するも思ったような反応が得られず、純粋なお笑いでは勝負できないと悟ったところで自身には芸人として培った高いプレゼン能力があることに気づき、他の人間がやっていなかった「教育系YouTuber」に行き着きます。
彼ら芸人さんが自身の成功を語るときって決してポジティブな文脈では語らないんですよね。みんな「色んなことに試した結果、これしかなかった」と言っています。
だからモチベーションというのは家でゴロゴロしていてもある日突然降ってくるわけではなく、何かしら行動しないと湧いてこないものなんですよ。
とりあえず興味が湧いたものはやってみればいいし、そうすれば天職が見つかるかもしれない。もしくは僕のようにめんどくさいことから徹底的に逃げ続けていれば「こりゃ、真面目にやらんとダメだわ」と気付くものです。