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TOEICは英語力を測るのに有用な試験ではないのか

 こんにちは、東城(@hiroyuki_t_ngy)です!

 僕は直近1年、転職のために真剣にTOEIC対策に取り組み、努力の甲斐あり先日TOEIC875点を取得することが出来ました。

 しかし世間では何かと批判の対象にされがちなこのTOEIC。各所では「TOEICで高得点が取れても、実際に英語が使えるようにわけではない」と叫ばれます。

 実際に自分がTOEIC高得点のひとつの目安である860点を超えてみて感じるのは

 

TOEICは日本において英語力を測るのには有用な試験である

 

 ということです。

 今回はなぜ僕がそう思ったかについて書いていきたいと思います。

 

まず、スコアに対する期待値が高すぎる

 世間で言われるTOEICとは一般的に「TOEIC Listening&Reading(以下、L&R)」を指し、ここでの試験はリスニングとリーディングしか課されません。

 このL&Rでハイクラスと呼ばれるのはTOEIC公式がアナウンスしている通り730点以上のBクラス「日常会話は問題ないレベル」、860点以上のAクラス「ビジネスでも通用するレベル」の2つになります。

 この分類を指して、TOEIC反対派の方はよく「TOEICがAクラスでも使える英語が身についているわけではない」と言います。

 僕自身はTOEIC875点なのでAクラスに分類されるわけですが、「英語が自由に使えるレベルですか?」と問われると「到底そのレベルには到達しておりません」と返すことしか出来ません。

 リスニングの能力としては海外のYouTuberの動画も字幕があればまぁまぁ理解できるレベル、リーディングは単語こそ難しいがひねった内容ではないビジネス系ものであればそこそこ読める。ライティングは時間をかけてググりながら文章を書いてよいのであればほぼ問題ないレベル。スピーキングは流暢には話せないものの、単語はべらぼうに知っているので、それさえ並べれば自分の伝えたいことはとりあえず伝わる。

 周りのAクラスの人間に聞いてみても、TOEIC860点を突破したとて所詮はこの程度。Aクラスになるとさも流暢に英語が使いこなせるようなイメージがあるのですが、そもそも公式のアナウンスがハードルを上げ過ぎているので、そことのギャップにより不必要な批判が巻き起こっているように思えます。

 もしTOEICの点数を持って英語が流暢に使えるかどうかを判定したいのであればほぼ満点レベルを取っていないと期待には沿えないでしょう。

 

試験科目は努力すれば必ず伸びるリスニング&リーディングのみ

 TOEICの点数に対する期待値が高すぎるという話を踏まえた上で、再度「TOEICがAクラスでも使える英語が身についているわけではない」という批判に答えてみると、これについてはその通りと言うしかありません。なぜならTOEICは基本的にリスニングとリーディングしか課されないからです。そこで高得点が取れたところであくまでも「英語が聴ける、読める」の証明にしかなりません。

 これは筋トレをやっている人に「ベンチプレスは100kg挙げれてるかもしれないが、レッグプレスは全然挙げれないじゃないか!!」と批判するようなもので、ベンチプレスが100kg挙げれるほどトレーニングしたからと言ってそれと連動して勝手にレッグプレスの方も100kg挙がるかと言ったらそうではなく、やはりレッグプレスはレッグプレス別個でトレーニングをしないといけないわけですよ。

 ただ実際ベンチプレスを100kgも挙げるようなトレーニーの人は体全体を鍛えるのでレッグプレスも100kg挙がる人が多いわけですが、とはいえベンチプレスを挙げるための胸の筋肉とレッグプレスを挙げるための足の筋肉は全く別物であるということを今一度頭に入れておかないといけません。

 TOEIC反対派の方もそれなりに努力して英語を勉強していて、「読み聞き」と「書く話す」が別物だということは分かっているはずなのに、批判するときはなぜかそこを見て見ぬ振りするのです。

 そして日本人にとって「試験でリスニングとリーディングしか課されない」というのは結構重要な要素だと僕は思っていまして、リスニングとリーディングは愚直に努力していれば必ず伸びていくスキルなんですね。

 今でこそオンライン英会話の普及によってスピーキング能力も一般家庭で向上できるようになりましたが一昔前で言えばよほど経済状況に余裕がなければ不可能だったわけです。だからこそTOEICというのは大学受験と同じで「どこまで努力ができるのか」の証明になるのです。普段からコツコツと努力してTOEICでスコアが取れるのであれば、いざ英語を使わないといけない状況に放り込まれればすぐさま適応できるでしょう。

 

スコアが細かく公表される

 現行の日本の資格試験でTOEICのように広く浸透していて、それでいて試験結果が990満点で細かく公表されるものを僕は他に知りません。

 それこそ同じ英語系資格である英検も合格か不合格かの2択ですし、簿記も宅建も運転免許も同様です。すなわち、合格したなら合格したで、不合格なら不合格でその人が実際どれだけのレベル感なのかが全くのブラックボックスなのです。

 またTOEICは2時間で200問と非常に問題数が多く、思考力を問う試験ではありません。それゆえマグレで高得点が取れるということがほとんど無いのです。

 スコアが細かく公表されるからこそ自分のレベル感も正確に把握できますし、試験が終わったあとで自分は一体何のスキルが不足しているか確認できるので、その弱点を補う勉強が出来ます。

 また「TOEICは資格試験なのに2年しか有効期限がないとはなんとアコギな商売なんだ!!」と憤慨されている方がたまにいますが、日本で一番保有者数が多いであろう運転免許も数年ごとに更新が必要ですからね。

 

対象となるのはあくまでもビジネス英語である

 今の日本で、一般的な日本人が英語に触れる機会があるとすればそれはビジネス英語でしょう。

 よくTOEICは無味乾燥な英語だからダメと言われますが、そもそも無味乾燥な英文ですらまともに読みこなせない人間が仮定法をバリバリに使いこなしたエキサイティングな英文が読めるとは到底思えないのです。

 「無味乾燥な英文ばかりやらせるから英語に興味が持てず、英語力が向上しないんだ!」とは義務教育の現場に対してもよく言われる定型文ですが、もし仮にそうやって基礎を飛ばして "生の英会話" を覚えて「ヨー、メーン!!」「ワサップ?」「ザッツスモーキン・クール」とか言い出したら「日本人はフォーマルな英語も話せないのに、カジュアル英語ばかり連発するので無教養な人種だと思われてしまう。むしろ黙っていてほしいものだ」と手のひらを返すのは目に見えてます。

 まず我々日本人が覚えないといけないのは「空港でトラブルが起きたから指定のゲートに行かなければいけない」だとか「旅行先で買い物をしようとしたらまとめ買いしたほうが割引があるのでお得になりそう」だとか、そういう捻りのないシンプルな英語ではないですか。(難しい単語は使われるかもしれませんが)

 また僕は今の仕事の現場でたびたび海外サプライヤーにメールを送る機会があるのですが、その時の英文作成もTOEICを勉強した経験がものすごく役に立ってます。例えば自分が何かしたいときは「I want to」よりも「I would like to」の方が丁寧だと学びましたし、人にお願いごとをするときもよく問題文で見かけたからという理由で「Could you」よりも「I would like you to」にしようと考え直すことが出来ます。どの単語を使うか迷うときも、基本的にはTOEICに出てきた単語を使っていればまず問題は起きないでしょう。

 今の日本でTOEICほどスコアの難易度が浸透している試験もないわけで、仮にAクラスBクラスの難易度が一発で伝わらないとしても「TOEIC730点を超えている時点でMARCH/関関同立の大学院の学力試験が免除になる」といえばどれほどのものか理解してもらえます。

 TOEICが資格試験として致命的にダメな試験であれば、日本でここまで浸透することもなかったでしょうし、まして大学も入試の一部として採用しないでしょう。そしてTOEICを反対される方の多くが独自の英語勉強法を公表していますが、その勉強法を取り入れて爆発的に英語力が向上したという話を僕は聞いたことがありません。

 もし本当に英語力がある人間を採用したい、もしくは学生や社会人に英語力を身に着けさせたいのであれば自社の採用プロセスを見直すか、TOEICの勉強よりももっと効率的で実用的な英語勉強法を提唱するしかありません。

 そしてこれから英語を勉強しようとしている人は、世間の一部の人が言う批判に耳を傾けずに、愚直にTOEICの勉強をしてもらいたいなと思っています。

 TOEICほど努力すれば必ず伸びていく試験はないですし、またそこで身についたスキルは活用しようと思えば十分活用できる。それでいて日本人であればそのスキルの高さが分かるものは他にないのですから。

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