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映画

80年代の隠れた青春映画の傑作『マネキン』

 YouTubeで『マネキン』を観ました。

上映時間

 90分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★★

 

ストーリー

 芸術家志望の青年ジョナサンは、職場でも失敗ばかり繰り返し転職の日々を送っていた。恋人とも上手くいかない失意の彼は、偶然にもかつて自分が製作した最高のマネキンと再会してしまい、ひょんな事から展示されているプリンスデパートに就職してしまう。経営難で陰謀渦巻くプリンスデパート内で、オカマの従業員・ハリウッドと共に悪戦苦闘するジョナサン。

 ある夜のこと、作ったマネキンが人間の姿に変わって彼に話しかけてくる。彼女は「マネキンに転生」して時空を旅してきた古代エジプトの女性エミーというらしく、人間の姿になれるのはジョナサンの前だけだという。こうしてジョナサンは誰もいない深夜のデパートでエミーと斬新なショーウインドウの飾り付けをする事で、買収される寸前だったプリンスデパートを復活させてしまう。<Wikipedia>

 

感想

 YouTubeで映画『マネキン』を鑑賞。

 80年代の傑作青春映画として何かと見かける本作。ただし『セント・エルモス・ファイアー』や『フットルース』『フェリスはある朝突然に』のように特大ヒットを飛ばした誰もが知る作品ではなく、あくまでもそれらのメジャー作品の影に隠れる良品といった扱い。一昔前のVHSのレンタルビデオ店でも本作は割と青春映画コーナーでフィーチャーされていたような気がする。

 前々から観たいとは思っていたものの各種サブスクで配信されていなかったのでなかなか観る機会はなかったのだけど、最近になってYouTubeの映画チャンネルで無料配信されていることを知った。このYouTube映画チャンネルというのが意外と過去の名作を無料公開していて、『アメリカン・ビューティー』『ディープ・インパクト』『ライアー・ライアー』などを配信していたりする。

 さて本作は90分尺の80年代青春映画ということで本当であれば日本語吹き替えで、ソファで横になりながら観たかったもののYouTubeでは吹き替えがなく、日本語字幕(と英語字幕)のみ。どうせならということで英語の勉強を兼ねて英語音声+英語字幕で鑑賞。話自体は突飛な展開もなく、使われている英語も平易なので字幕があれば大筋は理解できた。40年近く前の映画ということで音が良くなかったのでリスニングとしてはあまり理解できなかったのが残念だったかな。もしかしたら細かいニュアンスなどが理解できていない可能性もある。

 さて本作の面白さを率直に語ると「事前の期待に比べると」そこまで面白いわけではなかった。『フラッシュダンス』から始まる80年代の青春MTV映画なので、お話は非常に単純。ハイコンセプト映画で「冴えない芸術家気質の青年が自分が製作したマネキンと恋に落ちる」という、作品の内容を一行で表せて、かつ、それがキャッチコピーになる作品だった。良くも悪くも満足度は『フラッシュダンス』と同じ。

 それよりも事前に想像していた話と実際の内容が結構違っていて、最初は純情で良い人間だけど女の子から全く相手にされないオタク青年が(不思議な力で人間になった)マネキンと恋に落ちるという話だと思っていた。ところが実際は主演のアンドリュー・マッカーシーはそこそこイケメンだし、美人の彼女もいるという設定で、そこまで感情移入できる設定ではない。

 何をやってもうまくいかない芸術家気質のジョナサンがふとしたきっかけからデパートの店員として雇われ、そこでマネキンを使ったショーウィンドウの飾り付けが評判を呼び、またたく間に出世。最終的には副社長まで上り詰める様子がヒットナンバーと共に軽快に映し出されるいかにもな80年代の90分尺MTV映画。

 登場人物も舞台も限られていて、話も一本調子。ラストにちょっとハラハラする要素はあるものの、あまりにもストーリーが実直すぎるので、もう少しひねりがあってもよかったかなぁと思う。なんというかこち亀の両さんがビジネスで成功する回を90分に伸ばしたかのような感じなんですよねぇ。

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 以下「俺の考える『マネキン』」ストーリー。

 芸術家志望の青年ジョナサンは、職場でも失敗ばかりで、好きな女性からも全く相手にされない不遇な男。あるときバイトで制作したマネキンの前で自分の人生を嘆き、涙を流すとそのマネキンが絶世の美女に変わり、動き出す。

 そのマネキンの名前はエミーといった。元々は古代エジプトの次期女王であったものの目立ちたがり屋で人から注目を浴びるのが大好き。しかしそのあまりの傲慢さから魔術をかけられ、現代のニューヨークのマネキンに転生させられてきたのだ。

 マネキンとして人から注目を浴びれば浴びるほどその後人間として自由に行動できる時間が増えると分かったエミーは、しぶしぶ日中はマネキンとしてデバートに展示される。

 ジョナサンのマネキン制作スキルと、エミーの古代エジプト譲りのファッションセンスが絶妙にマッチし、マネキンの展示が話題となった。それと同時に服が売れるようになっていく。やがてジョナサンは買収される寸前だったバイト先のプリンスデパートを復活させてしまう。

 他人は気に掛けるものの自分に関しては無頓着なジョナサンと、自分のことばかりで他人には無頓着なエミーは初めこそ反目し合っていたものの、徐々に打ち解け、やがてかけがえのない存在へと昇華していく。

 プリンスデパートの副社長にまで上り詰めたジョナサンは数日後に社運をかけた巨大なマネキン展示会を実施することにする。もちろん展示会の目玉はエミーである。しかし人からの注目を十分に集めたエミーのもとに古代エジプトより使者が現れ、元の時代に帰るよう促される。

 エミーはそのことをジョナサンに話そうとするも、ちょっとした行き違いからケンカ別れとなるが、時を同じくしてライバル会社がプリンスデパートの展示会を潰そうとエミーを誘拐するのである。

 展示会があと数時間で始まろうとする中で、苦渋の決断で会場を抜け出し、エミーを救いに向かうジョナサン。工場の粉砕機に投入されそうになった直前でなんとか救出する。だがしかし古代エジプトの使者により、エミーは過去に連れ戻されてしまう。

 慌てて展示会に戻ったジョナサンであったが目玉であるはずのエミーの展示がなく、会場は騒然となる。しかしエミーから得たファッションセンスにより、その場にあった普通のマネキンに驚くような装飾を行い、結果として展示会は大成功に終わる。

 自分一人の力でも仕事ができるようになったジョナサンは地位も名誉も得て、かつて好きだった女性からも言い寄られるようになるが、心の喪失感は癒やされないままだった。ふとした時に博物館に寄った際、古代エジプトの展示を見るとそこにはエミーの史料があった。彼女はかつてジョナサンが施してくれたファッションを古代エジプトに戻っても実践しており、それを生涯愛していたことを知るところで映画は終わる。



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