普段から僕は「資格を取ったら人生変わりました！」という話をしているのですが、SNSを眺めているとこちらについて改めて言っておかないといけないなと思うことがあるので、言います。
そりゃ資格だけ取っても人生は変わりませんよ。
いや、なんというかこういうことを言わされるとなると、芸人さんが自分のギャグのどこが面白いのかを説明させられるが如しサムさがあって嫌というか、さすがにこの辺のことは分かってくれよとは思うのですが、とはいえ「どこかでちゃんと説明しなきゃダメだよな」とは考えていました。
まず資格は手段であって目的ではないんですよ。資格を使って何かをするからこそ年収が上がります。日本最難関の資格とも言える国家医師免許や司法試験だって、試験をパスした瞬間にそのへんからお金が湧き出てくるわけではなくて、限られた独占資格業務に従事できるようになってそして実際に従事するから高給が発生するのです。
資格によって人生が変わったという人と、変わらなかったという人では明確な差があります。
例えばTOEICの場合。
- OK：海外勤務ポジションに応募したいからTOEIC860点を取得して、実際そのポジションに着けた
- NG：TOEIC860点を超えたけど何も変わらなかった。TOEICはクソ。
OKな人は「目的ありきの資格取得」なのですが、NGな人は「資格さえ取ってしまえばあとは勝手に人生が変わっていくだろう」と思っているフシがあるのです。
前述の通り、資格を取っても実際に売上を出さないことには年収は上がりません。もしくは資格があることで一定の能力があるとジャッジしてもらい、転職によって年収を上げるという手法があります。
Twitterでも英語系インフルエンサーに対して「俺はTOEIC900点を超えたけど人生何も変わらなかったぞ！」とリプライを飛ばす人が散見されるのですが、かなり厳しいことを言うと「自分の売上が増えないことには年収が上がらない」という至極単純なロジックに思いを馳せることなく、ただ文句のリプライを飛ばす思慮の浅さが非常に厳しい。リプライをもらったインフルエンサーも「(いや、俺は年収上がったが…)」としか答えようがないですからね。せめてバックグランドぐらい書いてリプを飛ばしてあげてほしい。
とはいえ目的もなく、ただ資格単体を頑張れるのもそれはそれですごいなと思います。だってTOEICにしたって860点を超えるのにはどうやったって高校卒業後に2000時間程度の労力が必要で、「海外勤務ポジションに応募する」や「転職の際の武器にする」ということもなく「とにかく頑張る」でそのスコアを取るって驚きですからね。