映画館で『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を観ました。
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上映時間
147分
オススメ度
星5点満点中:★★★★
ストーリー
盗まれたプルトニウムを用いて、三つの都市を標的にした同時核爆発の計画が進められていることが判明する。核爆発阻止のミッションを下されたイーサン・ハント(トム・クルーズ)率いるIMFチームは、犯人の手掛かりが名前だけという困難を強いられる。タイムリミットが刻一刻と迫る中、イーサンの行動に不信感を抱くCIAが放った敏腕エージェントのウォーカー(ヘンリー・カヴィル)が現れる。<Yahoo!映画>
感想
今年で56歳になるハリウッドのトップスターであるトム・クルーズが、自身のライフワークとして手がけるシリーズの最新作『ミッション・インポッシブル/フォールアウト』。
初見の感想は「ストーリーはよく分からん! だがハラハラ・ドキドキはシリーズ随一でめちゃくちゃ面白かった!!」です。
本作はプロデューサーも務めるトム・クルーズが、最初にまず「こんなかっこいいシーンを撮りたい!」と言ってアクションシーンからまず撮影を始め、後からストーリーを適当にでっち上げただけだそうで、当然ながら話に整合性などあったものであはりません。
話に整合性がなくてもハラハラ・ドキドキできて楽しめるだなんで書いている自分でも不思議な感覚ですが、それを無理やり成立させてしまっているのはトム・クルーズという俳優のカリスマ性があってこそなのです。
本作は到るところで言及されている通り、完全に「トム・クルーズによるトム・クルーズを魅せるための映画」となっていました。
特にトム・クルーズが敵を追いかけるために街中を全力で走り回る、通称"トム走り"が出てきた瞬間に、「あ、この映画は『ミッション・インポッシブル』ではなく『トム・クルーズ』なんだな」と自分自身で納得してしまいました。
この"トム走り"、実際のところ56歳の(イケメン)おじさん俳優が全力疾走をしているだけで、本作を観ていない人からすると「おじさんが全力疾走することの何が面白いの?」と思うことでしょう。
しかしこれがスクリーンに映えること映えること。ファイトシーン1個分の求心力がそこにはあるんです。
たかがイチ俳優が全力疾走するだけでここまでも観客を惹きつけてしまうあたり、トム・クルーズのカリスマ性というか、スター性がいかにすごいのかが分かります。
ストーリーの方は冒頭にも書きましたように、製作陣が適当にでっち上げているので上映中は理解できず、家に帰って色んな解説を読んでやっと理解できるレベルでした。
それでもハラハラ・ドキドキできるのは、まず「トム・クルーズことイーサン・ハントという絶対的な善玉がいて、世界を核攻撃しようとしている悪玉がいるからそれをやっつけよう」という大筋が理解できるのと、1エピソードごとに「悪いやつ逃げるからそれを追いかけろ!」であるとか「状況が不利だから警察から逃げろ!」といった細かい目的がなんとなく分かる設計になっているからなのです。
これは最近のテレビゲームの感覚にすごく近くて、ゲームで1ミッションごとナビゲーターが何をやらないといけないか指示してくれて、それをクリアするのは楽しいのだけども、全体としてみると「あれ、これどんなストーリーだったっけ?」となるのと同じです。
ただし話の展開としては毎度「何かミッションをこなそうとする→失敗する→窮地に追い込まれる→デデーン! 実は計算通りでした(ピンチ脱出~)」の後出しジャンケン方式で、これって下手をするとものすごくつまらなくなるんですよね。「それ言い出したら何でもありじゃん」となり、物語に入り込めなくなる。
しかし本作の場合、その後出しジャンケンで出てくる手がかなり高度で、毎度奇抜なアイデアやハイテクメカが登場し「そんな手があったか!」と期待を良い方向に裏切ってくれるのです。
この期待の裏切りもさじ加減が難しいところで、あまりにもハイテクなメカを出しすぎると「いや、そんなメカがあるなら何でもありじゃん」となってしまいます。期待を裏切りつつ、裏切り過ぎずというその絶妙なバランス感覚がまた素晴らしい。
こういった役者一人の魅力だけで1シーンを魅せきるであるとか、クオリティの高いアイデアを途切れることなく次々と出してくるところがハリウッドのすごいところだなと改めて感じました。
最後に余談ですがトム・クルーズはハリウッドのトップ俳優の中でも背は低い方で(170cm程度)、自身が映画を作るときは必ず共演者は同じぐらいの背の役者を揃えることで有名でした。
それが今回背の高いヘンリー・カヴィル(186cm)と共演しつつも、そこまで背のアンバランスさを感じなかったのはどういうトリックを使ったのかなと、ちょっと疑問に感じました(笑)
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