先日、2年ぶりにとある友人と会いました。
このブログでも度々お伝えしていますが、僕は20代中盤に恋愛修行と称し名古屋の街に繰り出しては合コンやら街コンやら相席にストリートナンパに勤しむというハレンチな行為に及んでおりまして、そのときにいつも週末一緒に遊んでいたメンバーの一人である山下君に久しぶりに連絡を取ってみたのです。
山下君を含め僕らはいつも4人で遊んでいて、週末は何を言うわけでもなく栄に集合しては「いい女(マブいスケ)抱きてぇな」なんて下品なことを言いながら女の子のお尻ばかり追いかけ回していました。
夜から女の子と予定があるときは、その前後で集まって作戦会議や反省会をしていて、当時は「女との飯のときには太めのウィンナーを注文するとお持ち帰りの確度が上がる」なんて真剣に議論していたものです。
栄に集まればいつもメンバーの誰かがいるものだからみんなそこで女の子との予定を入れて、先にダメになった人間が「今俺ひとりになったわ。○○で飲んでるからみんな来て」なんてグループLINEにメッセージを入れたりする。
「写真と全然別の子が来て慌てて逃げたわ」
「今日になってインフルエンザにかかったとか言われてドタキャンされた!」
「飯を食うだけ食われて見事に逃げられた」
「おいおいお前ら全員ダメダメじゃねーか! それじゃあみんなでラーメンでも食って帰るべ」
女の子から逃げられてしまうのは悲しかったですけども、みんな心のなかでは「話のネタができた」と思っていたりして、それはそれですごく楽しかったのでした。
始めは女の子から逃げられてばっかりだったこのメンバーもずっと遊んでいると口も達者になってくるというもので、多少は女の子といい関係になれたりするものの、僕だけは口先のうまさの向上とは反比例するかのように「俺はこのままでいいのだろうか」という思いを募らせていきました。
「モテるやつは仕事もできる!」という言葉で遊び呆けている自分を正当化していましたが、やっぱり遊びで身につくスキルって、あくまで口先だけなんですよね。
初めて女の子と出会ってから深い関係になるまでの2~3時間のトークスキルはうまくなっていくけれども、そこから長期的な関係を築いていこうと思うと、どうしても地のスペックで勝負をしないといけない。
「このまま遊んでだけいても、20代のうちはいいかもしれないけど、将来必ず仕事でも恋愛でも行き詰まるな」
そう思った僕は、グループから抜けることにしました。
深くを語っても理解されないだろうと思い、みんなにはひとこと「最近仕事が忙しくなってきたから、そっちに集中するわ」とだけ言うにとどめましたが、意外なことにみんなもすんなりと受け入れてくれました。
それからというもの、僕はエンジニアに転身し、年収を大幅に上げるために色々とやってきましたが、なかなか他人にひと目で分かるような実績が挙げられずモヤモヤした思いを抱えていました。
彼らに会いたいなとは思うものの、なんの手土産もない状態で会うわけには行かず。
そうこうしているうちに2年以上が経過してしまったのですが、先日僕はTOEICで855点を取ることができました。ひとまずは他人に語れる実績ができたということで、まずはグループの中でも一番仲の良かった山下君に連絡を取ってみることにしたのです。
2年ぶりに会う僕らは、まず「なんだお前その体は!!」と言い合いました。
そう、僕は山下君と最後に会ったときは体重が52kgだったのが、今では筋トレの甲斐もあって67kgに増えていたのです。同じく山下君もこの2年で筋トレに励んでいたそうで、体重こそあまり増えていないもののベンチプレスは100kgを挙げれるようになっていて、胸筋やら上腕二頭筋が大変なことになっていました。
かつて栄で遊んでいた時同様、セブンイレブンで買ったコーヒーを片手にドライブをし、この2年の出来事を語り合いました。
なんでこのグループを抜けてしまったか、今に至るまで何をしていたか。
そして他のメンバーは今何をしているか聞いてみました。
すると僕が抜けた直後にみんな彼女ができたり、同棲を始めたりと、あまりメンバーで会うことは少なくなってしまったそうです。それでいてみんながみんな仕事を頑張ったり筋トレを開始したり、副業に精を出したりと、僕と同じようなことをしていたのです。
「みんな東城君と同じで、あのまま遊んでてもダメだなと思ってたんだよね」
どうやら心の底では同じことを考えていたようです。
思いがけない展開にはからずも目頭が熱くなり、あと一歩のところで涙が流れそうになってしまいました。
スキルアップの勉強を始めてからこの2年間、色んな人に「何をそんなに頑張ってるの? なんでそんなに頑張れるの?」と聞かれました。業務が終わって家に帰ってからプログラミングの勉強をしたり、新人教育用の研修資料を作ったり、英語の勉強をしたり。色々やってきましたが、自分でもうまく答えられずいつも「結婚を意識していたオンナに逃げられたんです」だなんて言って煙に巻いていました。
でも今回山下君に会って分かったのですが、やっぱりこのメンバーで遊んできたから今頑張れるようになったんですよね。「このままではダメになってしまう」と思えるほど遊びに付き合ってくれたからこそスキルアップの勉強に身が入るようになったわけですし、多くを語らずグループを去ったからこそ「何の実績もないままでは会うわけにはいかない」とも思えた。
スキルアップの勉強を開始すると同時に始めたこのブログも、当初の目標は「転職で年収を大幅に上げる」でした。だいぶ目標に近づけてはいるものの、達成はできていません。
数時間のドライブを終え、山下君と別れてから「あぁ、自分はほんとうにいい友達を持てたんだな」と思いながらも「年収を大幅に上げる目標は絶対に達成しなければ」という思いを強めるのでした。