AmazonPrime 映画

最近観た映画『エクス・マキナ』『ピッチ・パーフェクト』『亜人』

 AmazonPrimeで映画を何本か観ました。

※今回の作品はAmazonプライム会員であれば無料で視聴可能です。

①エクス・マキナ

 

上映時間

 108分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★

 

ストーリー

 検索エンジン世界最大手のブルーブック社に勤めるプログラマーのケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、ほとんど人前に姿を見せない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山荘に招かれる。人里離れた山間の別荘を訪ねると、女性型ロボットのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が姿を現す。
 そこでケイレブは、エヴァに搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能の実験に手を貸すことになるが……。<Yahoo!映画>

 

感想

 主な登場人物は3人(正確に言えば4人)で、一つの研究所の中だけで話が展開するワンシチュエーションムービー。
 作品の雰囲気としては『CUBE』や『ソウ』がヒットした後に大量に作られた亜流映画のような印象。もしくは2000年代中盤からHDカメラが普及したことによって、それまでは制作費が回収できないからと言ってあまり作られてこなかったアート系の映画が大量に公開されたのですが、それにも似た雰囲気があります。

 僕はこの映画をあまり評価していないのですが、一方で本作が一部のファンから熱狂的に受け入れられている理由もよく分かりました。

 『エクス・マキナ』は「一人のエンジニアの青年が、AI(ロボット)の知能テストをする」という映画であり、テストを行う過程でこの映画の裏テーマである「検索エンジンと個人情報の問題」「人間とAIでは一体何が違うのか?」「人間がAIを扱うことの倫理的な問題」などが明らかになってきます。
 要するに語りたくなるような細かいエッセンスが随所に散りばめられているんですね。

 思わず語りたくなるようなエッセンスが散りばめられているのは良いですが、いかんせん本筋のAIの知能テストが面白くない。基本的に一つの研究所の中だけで展開され、風景もほとんど真っ白な部屋ばかり。特に爆破などが起きるわけでもなく、登場人物3人が延々と喋ってるだけ。

 この感覚をピザに例えると分かりやすいのですが、『エクス・マキナ』をピザと考えるならば、生地の上にものすごくいっぱいトッピングが乗ってるんですよ。コーンとか半熟卵とかツナとか、それ単体で食べてもそれなりに美味しい。酒のつまみぐらいならば全然アリ。
 だけれどもピザ生地自体がいたってプレーンで味がなくて、おいしくない。
 おいしくないと言うと周りのファンから「お前、トッピングの味とかちゃんと分かってんの?」「このトッピングが分からないお前はダメ」とか言われてしまうのですが、「いやいや、これピザだから。ベースのピザ生地あってのトッピングだから。トータルで美味しくなかったら意味ないでしょ」といった感じ。

 それが本作の感想でした。

※AmazonPrimeビデオはこちら

 

②ピッチ・パーフェクト

 

上映時間

 112分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★★★

 

ストーリー

 DJになろうと奮闘中のベッカ(アナ・ケンドリック)だったが、親に大学へ進むことを強く勧められる。渋々大学に入学した彼女は、全く興味のないガールズアカペラ部に入部し大会に出場する羽目になってしまう。
 しかし、メンバーは個性の強過ぎる者ばかりで、部としてしっかりと活動できる状態ではない。それでもぶつかり合いながら練習を重ねていくうちに、彼女たちの間に絆と友情が芽生え、歌声もリズムもハーモニーもピッタリと合うようになるが……。<Yahoo!映画>

 

感想

 以前書いた『チアダン』の記事で「(日本での)スポ根モノのフォーマットは『ウォーターボーイズ』で完成されてしまった」と書いておりましたが、本作『ピッチ・パーフェクト』はスポ根モノフォーマットから1mmも外していないベタ中のベタな映画にもかかわらず、今まで観てきたスポ根映画の中でブッチギリで面白い映画になっていました。

 いやー、ハリウッドの底力を垣間見た。

 話の筋としては、「主人公が解散寸前の女子大生アカペラサークルにひょんなことから入部することになって、そこからすったもんだあって粒ぞろいのメンバーが一致団結して全米制覇を目指す」というお話。

 今僕がこうやって粗筋を書いただけでも「そのお話、もう何回目だよ!!」といった感じですが、いやー、これが予想を裏切りなかなかの快作なのです。

 まずアナ・ケンドリック演じる主人公ベッカは、スポ根モノのフォーマット通り、最初はアカペラなんか全くやる気が無いわけですよ。
 それが “ひょん” なことから才能を見出されてアカペラグループにスカウトされるのですが、大抵のスポ根映画って、この “ひょん” なイベントの設定がうまくいっておらず、そこで観客を置いてきぼりにするためほとんどの作品が失敗してしまうのですね。
 本作『ピッチ・パーフェクト』では、その “ひょん” が、アナ・ケンドリックがシャワーを浴びている時に鼻歌交じりに歌を歌い、その歌声をアカペラグループの部員に聴かれてスカウトされるという展開になっていました。
 僕も結構風呂場では歌を歌ってしまうタイプなので、この展開を見た時は「分かる!」と思ってしまって、グッと映画に入り込んでしまいました。

 また僕がこの映画で「うまいなぁ」と感心したのはキャラクターの配置です。こういった学園スポ根モノって登場人物に個性を出そうと、必ず「意地悪なヤツ」「太ったヤツ」「不思議ちゃん」を配置するのですが、大抵の映画はそういった個性的なキャラクターを配置するだけして、結局それが映画的なカタルシスにつながっていない。
 それが本作では、最後にそれぞれのキャラクターのコンプレックスが一気に解消され、「なぜこのキャラクターでなければならなかったのか」がちゃんと理由付けられます。
 今までの散々のフリがあったおかげでラストの爽快感は別格なものとなっています。

 他にもこういったスポ根映画にはつきものの「嫌な展開」に関しても、ちょっとネガティブなイベントが起こるとそれを全部下ネタで返すという作劇法により、嫌な気持ちが全く継続しません。
 主人公のアナ・ケンドリックも自身の巨乳を見せつけるかのように全編北半球をプルプルさせながら映画に出てますし、イケメンマッチョの裸もちゃんと出てくるなど、娯楽映画として必要な要素は全部てんこ盛りな、とても良い青春映画でした。

※AmazonPrimeビデオはこちら

 

③亜人

 

上映時間

 109分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★★★★

 

ストーリー

 2017年の東京。研修医の永井圭(佐藤健)はトラックと衝突し死亡するが、その直後、肉体が回復し生還。不死身の新人類“亜人”であることが発覚する。圭は追われる身となり、亜人研究施設に監禁されるが、“帽子”と呼ばれる亜人のテロリスト・佐藤に助けられる。
 しかし、佐藤は国家転覆計画に加担しない圭を敵視。圭は佐藤の暴走を止めるために立ち上がる。<Yahoo!映画>

 

感想

 AmazonPrimeのおかげで今まではほとんど観てこなかった邦画をよく観るようになったのですが、その中でも『亜人』は邦画アクション映画としては意外なほどの拾い物映画でした。

 主演:佐藤健 × 共演:綾野剛という旬な役者さんを使っておきながらも興行収入が16億円しかいっていなかったため、「相当な駄作なんかなぁ。しかも監督が本広克行さんだし、あの人アクション演出とかダメでしょ」と思っていたら、あまりのアクションの凄さと話自体の面白さで思わず2回も観てしまいました。

 おそらく現在の邦画(メジャー)アクション映画としては間違いなくトップのクオリティで、「遂に日本でもここまでの作品が作れるようになったか!」と感動していました。

 僕はかねがね邦画に対しては「自分たちがやれることを確実にやれよ」と毒づいていたのですが、邦画ってアクション映画を作るとき無駄にスケールを大きくしがちなんですよね。本当は50億円ぐらいかけないとちゃんと締まった作品にならないのに、それを5億円でやろうとしてしまう。
 いや、志はいいけど、まずは5億円規模の作品を5億円でやろうよ・・・

 そんな中、本作『亜人』はまぁ悪役の綾野剛がショットガンを撃ちまくる。
 邦画にありがちな「予算の都合であまり撃てませんでした」「許可が降りなかったので、銃だけ一応登場させました」といったことはなく、とにかく撃って撃って撃ちまくる。

 アクションもふんだんに盛り込まれ、それでいて画面に貧乏臭さが一切ない。

 制作陣がやりたかったことが、ほぼ100%やれているように見えました。

 この映画が成功したなと思える要因は1つ。
 それは本作が「『ある日不死身の能力に目覚めてしまった青年と、それを追う者の純粋なバトルモノ』に徹したこと」が挙げられます。

 本作は109分と邦画でそれなりに予算をかけた映画としてはタイトな上映時間です。
 それもこの映画は主人公の佐藤健と、悪役の綾野剛の知略を尽くしたバトルを描いていて余計な人間ドラマを入れていないからなのです。
 一応主人公の佐藤健側には「不治の病にかかった妹がいて、それを治すために自分は医者になって…」というバックグラウンドがあります。今までの日本映画であればまずオープニングからそういったドラマをだらだら見せて、平穏な生活を送っている中で突如不死身の能力に目覚めて、といった展開になりがちです。
 しかし本作ではそういった部分をすべて省いて、いきなり佐藤健が不死身の能力に目覚めてしまったところから始まります。
 悪役の綾野剛に関しても、彼もまた不死身の能力の持ち主で、その能力から日本政府に20年にも渡る人体実験を繰り返されたというバックグランドを抱えています。しかし本作ではそれを描かない。よく我慢した、本広監督!
 ただ多少制作陣にも迷いがあったようで、途中で無理に人間ドラマをいれようとしてしまっている部分もあって、そこさえ切って、上映時間も90分台に乗せられればもっとよかったなと感じるところもあります。
 そして肝心のバトルもすべて室内で展開することによって、非常に自由にアクションを演出しています。
 この映画のアクションシーンはおそらくすべて東宝のスタジオ内だけで撮られていると思うのですが、すべてスタジオのセット内だけでアクションをやることで余計な制約がかからず、役者さんも本当に活き活きとアクションをやっています。
 特に悪役の綾野剛のアクションの真剣具合は本作を観た人なら誰しも絶賛するところで、その流暢な動きから「真剣にトレーニングしたんだな」というところが伝わってきます。途中で上半身裸になるシーンも有るのですが、腹筋も見事にシックスパックに割れ、本気度が嫌でも伝わってきます。

 僕は本作を鑑賞するに当たって期待値のハードルを極限まで下げていましたが、ある程度上がっていたとしても満足度は相当高かったんじゃないかなと思います。
 日本も遂にちゃんとしてアクション映画を作れるようになったという事実にとても嬉しくなってしまう作品でした。

※AmazonPrimeビデオはこちら

 

※今回紹介した作品はAmazonPrime会員の無料体験でも視聴可能です。

 

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