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映画

こんなにも熱く燃える映画は他にない『RRR』

 映画館で『RRR』を観ました。

上映時間

 182分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★★★

 

ストーリー

 1920年、イギリスの植民地政策下にあるインド。野性を秘めた男・ビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr)はイギリス軍に連れ去られた村の少女を救うため、仲間と共にデリーへ向かう。そこで、ある出来事をきっかけに内なる怒りを燃やす男・ラーマ(ラーム・チャラン)と出会い、互いの身分を知らないまま親友となる。しかしラーマはイギリス軍の警察官であり、ビームの本当の目的を知った彼は友を投獄する。<Yahoo!映画>

 

感想

 こんなにも我々観客を熱く、激しく、燃えたぎらせる映画は久々に観ました!

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 長らく映画ファンをやっていますがインド映画は今回初めて観ることとなりました。少し前では『ロボット』『バーフバリ』などがヒットしたインド映画として日本に輸入され、それなりに話題を呼んでいましたが、Twitterなどでショートクリップとして見せ場のアクションシーンを観る限りは「無茶苦茶なことやってんなぁ」と食指は動かず。しかしこの『RRR』も同じく「無茶なアクションをやる映画」として僕の中では今までと同じ括りでいたものの、周りの評判があまりにも良すぎたため公開から半年経ってやっと観に行きました。

 前述の通りYouTubeに公式からアクションクリップが上がっていて、それを観る限りはまんまおバカ映画なのですが、本編をすべて観るととてもバカ映画だなんていう感想は抱きません。これほどまでに熱い展開の連続で、思わず叫びたくなるような映画もありません。

 系統として近いのは『マッドマックス 怒りのデスロード』でしょう。あの映画もバカ映画といえばバカ映画。悪役は変なコスチュームとメイクをしているし、車はおおよそ実用的とはいえない無茶な改造をしている。そして何の意味があるのか無駄に火を吹くギターなんかが登場します。でもあの映画を観ている限りそれらのアイテムが違和感で映画への没入を妨げることはありません。というのも監督の頭の中ですべて「なぜそうなるのか」の理由が存在しているからです。

 本当は監督が頭の中で映画の世界観すべての事柄に対して徹底的に考えられていてそれをすべて説明してもいいのだけども、そうすると映画の尺がいくらあっても足りなくなるので、唐突に登場させる。でも観客は監督がしっかりと考えていることを感じ取れるので違和感を感じないんですよね。

 同じように『RRR』もおおよそリアルを感じられないアクションシーンの連続ですが、監督が頭の中で「この世界は一体何がリアルなのか」を徹底的に突き詰めて考えられ、映画本編としても頭から最後までテンションを落とすことなく描かれるので、開始15分も経った頃には『RRR』の世界に完全に浸ってしまうのです。

 それにしてもこの『RRR』はレビューが難しい。上に公式がアップしているアクションクリップを載せましたが、これをうまく言語化出来る人はいるのでしょうか(笑) 仮に言語化したところで「なんでそうなるんだよ」の連続でしょう。

 アクション自体はこうやってクリップ一つ単体で観るとバカバカしさ満載なのですが、スタッフもキャストも「バカなアクションをやろう」とは思ってないんですよね。どうやったら観客が楽しんでくれるケレン味のあるアクションがやれるのかを突き詰めている。結果として単体ではバカバカしく見えるものの「逃げとしてのバカバカしいアクション」をやっているわけではないのです。観客が「こういうアクションをやってくれ!」と思うところを常に2,3手先を行ってくれるので全く飽きない。

 特にオープニングで1対1万人のアクションが展開されるのですが、それも「どうやったら1対大人数アクションを成立させれるか」を真剣に考えているんですよね。主人公が強すぎる設定にして無茶なCGで強引に話を進めるわけでもなく、ギリギリのところでリアリティラインを超過していない。

 あとは悪役が徹底的に純粋な悪役として描かれていたのが胸をすく思いになりました。昨今ポリコレの波で誰かを純粋に悪役として描くことが難しくなっていて、日常生活で「ポリコレ! SDGs! 多様性!!」と言われ、現実逃避として映画を観に来ているのにそこでも各方面に配慮されたストーリーを観ると辟易してしまうんですよね。せめてエンターテイメントの世界では自由に不道徳をやってくれよ!

 そして『RRR』の劇中ではイギリスが純粋な悪として描かれていたのですが、キャストもしっかりと悪役演技を全うしてくれたおかげで僕もラストの方では「うぉぉぉーーー!!!! いったれーーーーー!!!!」と興奮できました。こんなにも「やったれ!!」と思える映画を観たのは本当に久々でした。

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 ストーリー自体はベタ中のベタですが、終始観客を楽しませる工夫が随所に織り込まれ、鑑賞後は元気が出るような映画です。

 上映館数もだいぶ絞られて来ていますので、気になった方はぜひ観に行ってください。

 オススメです!!

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