AmazonPrime 映画

時代背景が理解できると楽しい『フラッシュ・ダンス』

 AmazonPrimeで『フラッシュ・ダンス』を見ました。

※今回の作品はAmazonプライム会員であれば無料で視聴可能です。→AmazonPrimeビデオ

上映時間

 94分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★

 

 ストーリー

 ダンサーになる夢を追う女性の姿を描いた青春映画。昼は製鉄所、夜はナイトクラブのフロアダンサーとして働くアレックスは、日々プロのダンサーになることを夢みて暮らしていた。そして恋人との確執、友人の死などを経て、いよいよオーディションの日が迫ってきた……。<Yahoo!映画>

 

感想

1本の映画単体として観るとオススメできない

 前々から観たいと思っていた本作。僕の大好きな映画プロデューサー、ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーが初めてタッグを組んだ作品で、その年の全米映画興行ランキングでも年間3位のヒット作となった作品。AmazonPrimeで無料で観れるとなっていたので吹替版で観ました。
 いざ観てみた感想はというと、一言で言うなら「4分のミュージックビデオをそのまま90分に引き伸ばしたようなないようだな~」です。ほんとに内容がスッカスカで、中身も4分あればすべて語れてしまうような出来事しか起きません。
 主人公の成長もほとんどない状態ですし、ラストはダンスのオーディションに挑むわけですが、映画のオープニングとラストで主人公がダンススキルとして何か成長があったかというとそういうわけではありません。サブストーリーとして出てくる「ストリップバーで働くことになってしまった友人」や、「コメディアン目指して都会に行く料理人」のエピソードも出てくるだけ出てきて、コレと言ったオチがありません。一本の映画としてはとてもオススメできません。

 

ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマー

 1本の映画としてはオススメできませんが、かと言って僕が本作を楽しめなかったかと言えばそうではありません。ある種の映画史を確認するためのもの作品としては非常に楽しい映画でした。
 本作は希代のヒットメーカー映画プロデューサーのドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーが初めてダッグを組んだ作品です。この二人は後に『トップガン』『ビバリーヒルズ・コップ』『クリムゾン・タイド』など大大大ヒット作を連発するわけですが、彼らの映画にはある特徴がありました。

 

映画の内容が1行で表せて、かつ、それがキャッチコピーになる

 彼らの映画の特徴は「映画の内容が1行で表せて、かつ、それがキャッチコピーになる」というものでした。これはいわゆる「ハイ・コンセプト」と言われるもので、本作で言えば「プロのダンサーを目指す溶接工の女性の話」と一言で表され、かつそれがキャッチコピーとなっています。
 内容としてもただひたすらに単純で、何も考えずに鑑賞することが可能です。

 

アメリカン・ニューシネマからの反動

 本作が作られたのは1983年と、今から30年以上前の話になります。また本作が作られるちょっと前の1970年代はアメリカニューシネマと呼ばれる、ものすごく簡単に言うと主人公がウジウジ悩み、最後にはアンハッピーエンドとなる映画が流行っていました。
 1970年代末期にはニューシネマの反動から少しずつハッピーエンドの作品がヒットするようになり、単純明快なサクセスストーリーモノが望まれる気配がありました。
 そして1983年にMTVが開局されミュージックビデオの技術が飛躍的に高まる中、単純なサクセスストーリーとミュージックビデオのような派手な映像が連続する本作がヒットしたのだと思います。今でこそミュージックビデオは普通に存在していますが、当時はまだミュージックビデオというものが出始めも出始めで、当時の観客も「もっとミュージックビデオを観たい!」というニーズがあったのだと考えられます。

 以上のことを踏まえて本作を観ると、また違った趣があります。本作がヒットしたことから同じ路線を突き進むことになるジェリー・ブラッカイマーとドン・シンプソンはこのあと『ビバリーヒルズ・コップ』『トップガン』『ザ・ロック』など次々と歴史的な大ヒットを飛ばしていきます。
 その源流となったのが、本作『フラッシュダンス』なのです。

 

※今回紹介した作品はAmazonPrime会員の無料体験でも視聴可能です。

 

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