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緊張と緩和の到達点『ドキュメンタル(シーズン5)』※ネタバレ無し

 『ドキュメンタル(シーズン5)』を観ました。

※今回の作品はAmazonプライム会員であれば無料で視聴可能です。→AmazonPrimeビデオ

 

 以下、ネタバレはありません

 今までドキュメンタルは飛ばし飛ばしでシーズン4まで観ていて、面白いとは思うもののなんやかんやネタバレで誰が優勝するか知ってしまっていたので、そこまで真剣には観ていませんでした。

 しかし今回シーズン5は誰からもネタバレすることなくこれたので、これはいい機会だということで一度全部通しでしっかりと観ることにしました。

 いやー、これ本当に面白い! 僕は社会人になってから忙しいというのもあってお笑い番組をほとんど観ていないのですが、近年稀に見る面白いお笑い番組でした!

 まず最初に驚くのは、近年のお笑い番組(映像作品)にもかかわらず、ものすごく"間"を取っていることです。今どきのお笑いでこれほどまでに無音状態をそのまま放送することってありえないのではないでしょうか?
 『ドキュメンタル』は芸人同士が密室で6時間お互いを笑わせ合うのですが、当然のことながら6時間絶え間なく笑わせ合うことも、言葉が飛び交い合うこともありません。喋っている時間よりも無音になって何も起こらない時間のほうが長くなるわけで、それもカットすることなくほぼリアルタイムで部屋の様子を流し続けます。
 今のTV番組は「いかに情報を詰め込むか」ということに腐心していて、常に誰かが喋り、カットが切り替わり、テロップが出て、情報を過多にしておかないと視聴者はたちまちチャンネルを変えてしまう時代です。そんな中、ドキュメンタルはそれにすべて逆行して無音状態が続く、カットもそこまで切り替えず芸人の様子をじっくり映し出す、テロップも出さないという演出方法を貫きます。
 それ故、笑いどころが時折分からなくなることもありますし、芸人さんがなんと言ったかも聞き取れないときもあります。画面に集中していないと楽しめない。お笑い番組でここまで緊張感を強要するものもなかなかないでしょう。
 ものすごく緊張を強要するがゆえに、ちょっと緊張が解けたときに芸人さんが発するボケに笑ってしまう。

 そう、この番組、緊張と緩和がすごいんです。

 この番組の笑いのシステムってすべて緊張と緩和になっているのです。

 芸人さんが相手を笑わすために色んなボケを仕掛けていくのですが、それ単体で笑ってしまうことって殆どないんですよ。ボケを仕掛けると観ているこっちも「笑っちゃいけないな」と緊張を高めて笑わないようにする。そしてボケが終わったところで「よし、笑わなかったぞ!」と思ってフッと緊張が和らいだところで芸人さんが意図したのかしてないのか分からないちょっとしたボケに思わず吹いてしまう。
 現代のお笑いは漫才やコントもそうですが、「いかにボケの手数を増やすか」というところに重点が置かれています。ボケの手数を増やせば増やすほどそれだけ笑いを多く生むことができる。
 そういった点でドキュメンタルはボケの手数は恐ろしいほど少ない。少ないけども緊張が物凄いことになっているので、一度笑ってしまうときは声出して笑ってしまいます。

 昨今のテレビでは不可能なことをやっているドキュメンタルですが、これもAmazonPrimeという「観たい人だけが観る」というシステムだからこそできる技なんですよね。またアマプラは非常に規制が緩いのか地上波では100%不可能な下ネタもバンバン飛び出してきて、これにも思わず笑ってしまいました。
 地上波の規制が強まる昨今、これからのお笑い番組はオンデマンドの方に市場を広げていくのも大いにアリだなと感じたのと、笑いの本質である緊張と緩和とは何かをまざまざと見せつけられた『ドキュメンタル』でした。

 

※今回紹介した作品はAmazonPrime会員の無料体験でも視聴可能です。

 

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