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映画

40年分の大河ドラマに全編涙腺が緩む『クリード 炎の宿敵』

 映画館で『クリード 炎の宿敵』を観ました。

 

上映時間

 130分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★★★(シリーズを全部観ている人なら)
        ★★(この作品がシリーズ初見であれば)

 

ストーリー

 ロッキー(シルヴェスター・スタローン)の指導を受け、ついに世界チャンピオンになったアドニス(マイケル・B・ジョーダン)に、リングで父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子ヴィクターが挑戦状をたたきつける。ロッキーの反対を押し切り、父のリベンジを誓い試合に臨んだアドニスは、ヴィクターの反則行為によって勝利する。しかしアドニスは、ボクサーとしてその結果に納得できなかった。<シネマトゥデイ>

 

感想

 僕がこの世で一番好きな映画スターであり、人生の師と仰ぐシルベスター・スタローン。その彼の代表作の『ロッキー』から派生したシリーズである『クリード』第2作。
 当然のことながら前作『クリード チャンプを継ぐ男』も公開初日に観に行きましたし、本作も初日からの観賞です。

 まず僕の個人的な感想から言うと、スタローンの老いて円熟した演技に全編涙腺が緩みっぱなし!! 常に目から涙が落ちるか落ちないかの表面張力ギリギリの中での観賞で、ある意味ツライ映画でした。

 本作は『ロッキー』シリーズの第4作、『ロッキーⅣ 炎の友情』に密接にリンクしており、特に第4作が好きな僕としてはたまらないストーリー展開でした。
 『ロッキーⅣ』が公開された1985年はスタローンのキャリア絶頂期で、『ロッキーⅣ』と併せて当時スタローンが出演していた『ランボーⅡ』などを観ると彼のカリスマ性というか映画スターとしてのオーラがビンビンに放たれていて、非常に興味深いものがあります。『ロッキーⅣ』の頃のスタローンの「やってやるぜ!」感は半端なく、その『ロッキーⅣ』とストーリー上密接な関係がある『クリード 炎の宿敵』では老いて一歩下がった演技を観ていると本当に泣きそうになるんですよね。主演のマイケル・B・ジョーダン演じるアドニス・クリードを見る眼差しが完全におじいちゃんの目になっていて、アドニスから何を言われても特に言い返すこともなくおずおずと引き下がっていくあたりが、なんとも言えません。
 この「何を言われても特に言い返すこと無く引き下がる」というのも、シリーズ全作を観ている人間からすると納得のいく行動で、今までの人生の中であまりにも多くの経験をしてきたロッキーからすると「言い争いなんかしたって時間の無駄だ」という考えになってしまっているんですよね。ロッキーの行動すべてが理にかなっていて、それでいて我々ロッキーファンも「ロッキーがこういう行動をするのも、ああいう経験があったからなんだよな」と脳内補完してしまって、それで泣きそうになるのです。

 

 本作では脚本にスタローンが参加していて、それでいてスタローンや他の登場人物のキャラ造形が、リアルでの人生経験をたっぷりと詰め込まれています。
 例えば敵役のドルフ・ラングレン演じるイワン・ドラゴは、ロッキーⅣでロッキーに敗れてからロシアでの名声は地に堕ち、今ではしがない肉体労働者になっています。
 それもロッキーⅣで鳴り物入りで映画界に飛び込んできて、その後ほとんどヒット作に恵まれなかったドルフ・ラングレンの人生そのものでしょう。
 また今回アドニスに娘が誕生するのですが、その娘にもしかしたら障害があるかもしれない、というエピソードはスタローン自身の子供が自閉症であるバックグラウンドが多分に注入されているのでしょう。
 シリーズ全体のバックグラウンドもそうですし、役者自身のバックグラウンドが虚実入り乱れるところが、この作品に深みを与えています。

 僕としてはこの作品は非常に楽しかったのですが、同時に難点もいくつかあり、1つ目は「シリーズ全部を観てない人は楽しめるのか?」という問題です。過去に起きた出来事が特に説明もないままポンポンと出てくる当たり、この映画が初見だとだいぶツライなと思いました。
 そして2つ目は「主人公アドニスが敵であるヴィクターと戦う動機が薄い」という点です。アドニスの父、アポロ・クリードはヴィクターの父であるイワン・ドラゴにリング上で殺されたという背景があるのですが、アドニスがイワン・ドラゴと対決するのであればまだ分かるのですが、その息子であるヴィクター自身にはなんの恨みもないわけで、それと戦うのにはちょっと動機が弱いかなと感じました。
 3つ目の難点は、ヴィクターがあまりにも強すぎるという点です。このヴィクター役のフローリアン・ムンテアヌの役作りがあまりもすごすぎて、とてもアドニスに勝ち目がなさそうなのです。特に筋肉のムキムキっぷりもすごくて、アドニス役のマイケル・B・ジョーダも相当体を作り込んでいるはずなのに、ヴィクターを目の前にすると貧弱に見えてしまいます。終盤のトレーニングシーンも「どうやってこの体格差を詰めるのか」という戦略が見えなくて、ただ単純に筋トレをしているだけになっていのでそこが惜しいなと思いました。

 スタローンの老いて円熟した演技に涙腺が緩みっぱなしになりながらも、終盤の方まで難点がいくつか見えてしまい「ストーリーにはそこまで乗り切れないかなぁ」なんて思っていたらラスト、ある登場人物がした行動にふいに感動してしまいました。

 「そこでお前、その行動をするのか!!」

 この行動が"成長"というものを非常によくあらわしていて、ジーンと来るんですよね。

 その登場人物以外でも、最後のアドニスとヴィクターの最終決戦を通じて、みんな成長があるんです。そこがすごい感動できる。

 

 以上が『クリード 炎の宿敵』の感想でした。
 シリーズを全作観ている方ならきっと感動できる面白い作品ですので、ぜひ劇場で御覧ください。

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