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体験談 考え方

偏差値50未満の大学から大手銀行に就職した人の話

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 先日友人の後輩で偏差値50未満の大学から大手銀行に就職したという子と話す機会があった。

 自身で「出身大学はFランです!」と語る彼に「そこまで偏差値が高いわけでもないのになんで大手銀行に行けたの?」と聞いたところ

自分が行ってた学部が卒業要件に資格取得を課していて、それで資格取りまくったからですね。ほんとは一つ取得出来ていれば良かったんですけど、一つ取ってみたら楽しくなっちゃって。ウチの大学、大原とかの外部機関が授業やってくれるんでタダで講義受けれるし、それで単位も出るんでどうせならってことで気づいたら資格めちゃくちゃ取れてました。いやーウチみたいな低偏差値大学から銀行行けて、しかもそこで金融知識が身に付いて資産運用もゴリゴリやってるんで、金にはほぼ困ってないっすね。マジでコスパ最高っすわ

 とアッケラカンと返された。

 僕はこれを聞いて「文系学部の学生に、卒業要件として資格取得を課すのは素晴らしいな」と感じた。

 僕自身は彼以下のクソFラン文系学部卒の人間のため痛感しているのだけど、低偏差値大学で学生に資格なし・実績なしの丸腰状態で就活をさせても誰も幸せにならない。ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を語らせてみたって学部の勉強は大したことをやっていないので話せることは何もないし、バイトだってせいぜい勤続年数が長くなって「バイトリーダーになりました!」と言えるぐらいだ。企業側だって学生に必死こいて学業の説明をされてもピンとこないし、バイトリーダーだかみんながやりたがらないトイレ掃除を自分だけ頑張って本部からめちゃくちゃ褒められたというエピソードをご開陳されたところで「(それ、他の人間からも似たような話聞いてるんだよなぁ…)」と辟易するだけだ。

 ただこうやって学生に資格取得をしてもらえれば就活生がどれだけのビジネススキルがあるか客観的に判断できるし、取得している資格が的はずれなものであろうと「この子は最低限の勉強習慣があるのだな」と判断することが出来る。また彼に「就活のときはどんなこと喋った?」と聞いたところ「う~ん、正直面接官をハッとさせるようなことは言ってないし言おうとも思いませんでしたね。必要な資格は取っていたんで『Fラン大学の人間に嘘か本当か分からないガクチカの話をされても困るだけだと思いますので、あとは履歴書の資格欄を見て判断してください。御社の業務に必要な最低限の金融知識は身についていると思いますので』とかなんとかは言いましたね。…さすがに面接のときはもっと丁寧な言い回しでしたけど」と返された。まさにその通りだと思う。

 ある程度会社勤めをしていてある程度の人数の部下を持った人なら分かると思うが、会社が求める人材というのは「いかに会社に利益をもたらしてくれる」人材だ。ガクチカを語るのは「僕は御社を儲けさせる人間ですよ」と伝えるための手段であって目的ではない。なので学生時代に優れた研究結果を発表したことやリーダー経験のある人間よりも、その会社の業務に関する基礎知識がある人間の方が嬉しい。もっと言えば朝9時にはキッチリ会社に出社して、少なくとも定時の18時ぐらいまではちゃんと仕事をできると証明してくれるとありがたい。下手に自主性があって「僕にはこの会社が合ってないっぽいんで辞めまーす!」と入社1~2年で辞められてしまったら人事もたまったもんじゃない。

 今後も少子化が加速し、ひとりひとりの生産性向上が求められる日本において大学の文系学部の存在意義は今まで以上に問われることになる。実際国としても今後大学の文系学部は廃止し、理系学部に再編する方針を打ち出している。繰り返しにはなるものの、クソFラン文系学部出身の自分から言わせてみればMARCH未満の文系学部など、行ってもかけたコストに対してリターンがあまりにも少なすぎる。例えば私立大学に行くとなると4年間で480万円の授業料を払い、2000時間もの時間を費やすが、かけたコストに対して十分リターンがあったと胸を張って主張できる人間が一体どれだけいるのだろうか。仮に民間の英会話スクールにでも入って、そこで480万円も費やせば英語もペラペラになって、通訳やら翻訳の仕事でそこそこ稼げるようにはなりそうである。

 いくら大学が稼ぐ力を身につけるための場所ではないとしても、真面目に学問を修めたくて大学に行く人間はきょうびほとんどいないはずだ。仮にいたとしてもMARCH未満の偏差値しかないのであれば、まずやるべきことがあると思う。「学問を修める」というハイソサエティな行為は金持ちの子弟がやればよいことで、我々のような実家が太くもなければ頭も良くない人間は、まず目の前のお金を稼げるようになるのを最優先にしなくてはいけない。多くの人間が卒業後の奨学金返済に苦しむ中で、大学を卒業しても奨学金を返済出来るだけの稼ぐ力を身に着けさせられないという昨今の大学教育はシステムとしてあまりにも不備があるのではないか。せめて大学を卒業した人間の51%以上は「大学で勉強したおかげで余裕で学費(≒奨学金)分は稼げるようになりました!」と言えるようにならないと、そんなものに公金を費やしている場合ではない。

 今回の話を聞いて思ったのだけれども、もう文系大学は専門学校というか就職予備校のようにした方が良い気がする。せめて何かしらの資格資格取得を卒業要件に課しても問題ないのではないか。僕自身資格を取得を武器に中小企業から大手メーカーへの転職を決めたのだけども、義務教育ではない資格の勉強は結構楽しかったりする。簿記をやれば企業の決算書を読めるようになるし、FPを勉強すればニュースで流れる経済用語は大抵分かるし、資産運用にも挑戦できるようになる。要するに勉強したことがそのままダイレクトに実生活に役立つのだ。それでいて就職や転職にも武器として使える。こういった成功体験を一つでも積めれるとその後の人生は大幅に好転していく。

 冒頭の彼も僕と同じことを言っていた。最初は卒業要件になっているから渋々勉強していたのだけれども、義務教育と違って実生活に役に立つ資格の勉強は楽しかった。そして資格は取得すると周りが褒めてくれた。先輩たちを見ているとどうやら就活でかなり強い武器になるらしい。だからもう少し勉強してみるかと別の資格にも挑戦すると色んなことが繋がってきて更に楽しくなってきた。

 資格に限らず社会人になってからの勉強は本来楽しいものなのだけど、良いサイクルに入るまでの最初の一歩がものすごくハードルが高い。好きでやる勉強だからこそ好きなタイミングで辞めれてしまう。だからこそ大学のような機関が強制的に成功体験を身に着けさせるという取り組みはものすごく良いアイデアに思えた。

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