先日、X(旧Twitter)で浜辺美波さんのインタビュー動画(のキャプチャ画像)がバズっていました。
僕はこの画像を見たときに心底同意してしまって、ある種感動すら覚えたのですが、X(旧Twitter)では被せるように別の意見が更にバズを呼んでいました。
んなわけねぇだろ
できない人が100回かけて出来るようになってる間に、
1回でできる人は「できる」を100回やってんだよ
確かに生産性という意味ではそうかも知れません。
これがカンブリア宮殿で村上龍がニデックの社長あたりにインタビューしているのであればそういう意見を出してもよいと思います。ただこれは『インタビュアー林修(日曜日の初耳学 の1コーナー)』で、林修先生が女優・浜辺美波にインタビューしているものなので、経験という観点からするとまさに浜辺さんの言う通りでしょう。
実際にこのスクショ回の映像を見ようと思いましたが、数年前の放送ということで公式の映像は見つけられませんでした。概要が記事として残っていたのでそれを読みましたが「不器用な自分は多くの失敗をしてきたが、演技レッスンの先生からこういったことを言われ、それを励みにして頑張っている」という内容のようです。
ちなみに浜辺美波さんは今や押しも押されぬ人気女優で、東宝シンデレラにも11歳で入賞し、そのまま主演映画が公開されています。現在23歳ですが、11歳でのキャリア開始から12年あまりで単独主演作が20本以上もある売れっ子女優です。彼女自身どちらかと言えば「1回でできる人」でしょう。条件反射で反論を繰り広げる前に、その彼女が「100回やったほうがいい」と言っている意味を少し考えたほうが良さそうです。
さて、今回の本題ですが、「100回やって1回できるようになるより、1回でできることをやったほうがいい」という、過度に効率を重視した考えは非常に危ういということです。
この効率を求める考え方はインターネットでも現実の世界でもよく見かけますが、結局のところ「絶対的な作業量」を抜きにした、効率を追い求めている生き方で人生をうまくサバイブしている人の姿を僕は見たことがありません。
僕はこのブログやX(旧Twitter)アカウントを開設すると同時に勉強系アカウントとして情報発信をもう6年以上継続していますが、そうするとたまに「もっと賢くやろうぜ」「コツコツやっても無駄」「君が頑張っても才能のある天才に一瞬で抜かれるだけ」といったネガティブなメッセージが飛んでくることがあります。
一応メッセージの送り主のホームに飛んでみたりするのですが、そういった人が素敵なライフスタイルを実現していることは極めて稀です。少なくとも「自分もこういう生き方をしたい」とは思えない。そうやって見知らぬ他人にメッセージを送るぐらいですから今までの人生で色々あって、その結果今の生き方をしているわけでしょう。それなりに語れる経験があるはずなのにそこには全く触れていない。時間を効率的に使って浮いた時間でやることが他人にネガティブなメッセージを送るとはなんとも情けないものです。
僕自身がなぜ「100回やってできるようになる」ことを重視しているかと言えば、100回やってできるようになった人は他のことも100回やればできるようになると思えるからです。そうやって色んなことにチャレンジできるようになり、知識も相互に補完されてやりかたも自然と洗練されてくるので、いつしか色んなことが数回でできるようになっているものです。
どれだけ効率を追い求めたところで、結局時間を積み重ねることから逃げられません。例えば僕はTOEIC875点を取得していますが、自身の経験から見積もっても現時点でTOEIC400点の人が860点を超えようとするとどうやっても1000時間程度はかかります。本人の地頭の良さや、他で培った効率の良さで±20%の変動はあるかもしれませんが、それでも効率だけで勉強時間が100時間や200時間に圧縮されるということは絶対に無いのです。
自分が1回でできることだけ効率的に追い求めていれば大きな成功を得られるのか。例えばキングコングの西野さんがお笑い芸人をやらずに最初から絵本作家をやっていたら今ほど成功したでしょうか。オリエンタルラジオの中田さんが最初から教育系YouTuberをやっていたら今ほど成功したでしょうか。彼らが成功したのも最初はお笑いの世界で徹底的に努力を積み重ね、膨大な無駄があったからこそ本当の適性が分かって、今そこに集中できているのです。
受験の世界で有名な河野玄斗さんも本人は東大理科三類出身で医師国家試験、司法試験、公認会計士試験にも合格しており日本3大難関国家資格を制覇しつつ効率的な勉強方法に関する著書を出版されていますが、YouTubeでは頻繁に自身が10時間ぶっ続けで勉強している様子をライブ配信しています。
効率というのは結局のところ絶対的な作業量を積み重ねた上で存在することなのです。
インターネットの発達で色んなノウハウが出回るようになりましたが、「やる」というところからは逃げられないのです。
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