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考え方

ミクロな視点では努力している人間の足を引っ張った方が得なので、コトは厄介

 僕はここ3年ほど仕事が終わって家に帰ってからスキルアップのための勉強を継続しているのですが、自分が家で勉強していることを職場の同僚や友人に話すと意外とネガティブな反応が返ってくることがあります。僕としてはネガティブなことを言うより僕にサッサと成果を出させて、そこでノウハウを共有してもらうほうがよっぽど本人にとっても得だろうと思うのですが、何を考えてか彼らはほぼ条件反射レベルで拒否反応を示してしまうのです。

 そういう経験を何回かした後、スキルアップの勉強をしていることは公言しないようにしていたのですが、最近「なんで他人が努力しているのを否定してしまいたくなってしまうんだろう」と考えていたところ、一つの答えに突き当たりました。

 同じチームの人間に業務時間外で成果を出されたらマネージャーに「なんでお前はやってないの?」とプレッシャーをかけられることになるから。

 ちょっと考えてみれば当たり前のことで、例えば僕が業務時間外でVBAやRPAを覚えて現場で圧倒的な工数の削減を実現してしまったら当然マネージャーが「東城で成果が出せるんだから他のみんなもやろう」となるのは目に見えています。そうなると自分も過酷な競争に参加させられる。

 ただ単純に過酷な競争に参加させられるならまだしも、職場の若手である僕に業務時間外で勉強をして成果を出されてしまったら、かつて僕と同じ年ぐらいだったときに何も自己研鑽のための努力をしていなかった先輩としては自分の過去を否定されるも同然です。

 最近ビジネス系インフルエンサーが立ち上げるオンラインサロンが過剰と言えるほど叩かれるのもこれと同じ構造で、圧倒的天才ひとりが成果を出すならまだしも、オンラインサロンに加入した凡人たちが成果を出し始めてしまったら「才能のない自分はどうせやっても無駄だ」と言い訳して挑戦しなかった自分の面目が丸つぶれになってしまうのです。

 マクロな視点で見ると各個人がスキルアップの勉強をして生産性を高めるのは社会全体にとって大きな価値がありますが、ミクロな視点で見ると同じチームの人間がひとりだけ成果を出されると周りの人間は迷惑なんです。ミクロでは努力する人間の足を引っ張った方がインセンティブがあるので、なかなかイビツな構造が解消されない。

 「努力しているから無条件で称賛されるべき」という態度は危険で、場所に応じて身の振り方は適切に考えていかないといけないですね。

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