考え方

『#駆け出しエンジニアと繋がりたい』を使う人に知っておいて欲しい事

 ※本記事は2020年08月02日に更新されています。

 こんにちは、20代後半からメーカー事務職→組み込み系エンジニアに転身した東城です。
 現在はエンジニアとして家電製品のソフトウェア開発を担当し、3年が経過しています。

 僕がエンジニアとしてTwitterアカウントを開設した当時はProgateが本格稼働し、Web系転職ブームが巻き起こっていました。そんなブームの最中、突如として登場した「♯駆け出しエンジニアと繋がりたい」というハッシュタグ。

 今回はTwitterのエンジニア界隈に大旋風を巻き起こしたこのハッシュタグについて記事を書いていきたいと思います。

この記事で分かること

  • 駆け出しエンジニアと繋がりたいタグの歴史
  • エンジニアの年収事情
  • エンジニアとしての勉強を継続する方法

code

♯駆け出しエンジニアと繋がりたい

 僕がエンジニア系Twitterアカウントを開設した2018年4月頃はProgateのサービスが本格稼働し始めていたこともあり、Web系転職ブームが巻き起こっていました。当時は「Web系であれば未経験からでも1年でフリーランスになることができ、またリモートワークにより在宅でも年収1,000万円を稼ぐことが可能」という景気のいい話が溢れていたのをよく覚えています。

 そういった話を聞き、IT業界以外の人もWeb系に参入しようとプログラミングの勉強を開始するわけですが、全くの未経験からエンジニアになるには非常に孤独な学習を強いられ「同じくIT業界に転職したいと思っている人と繋がりたい」というニーズが水面下で高まっていました。

 

 そこに登場したのが「♯駆け出しエンジニアと繋がりたい」というハッシュタグ。

 

 元々は地方の大学生がノリで使いだしたハッシュタグが、界隈の潜在的ニーズと見事に結びつき、爆発的な流行を見せました。

 その後も「♯駆け出しエンジニアと繋がりたい」はエンジニア界隈に新たに参入する際の定番的ハッシュタグとなり、初登場からいくらか時間が経った今でも多くの人が使用しています。

 

駆け出しエンジニアの挫折率

 初めて「♯駆け出しエンジニアと繋がりたい」が登場したのは2018年の8月。
「未経験から1年でフルリモートで年収1000万円」の夢を抱き、多くの人がIT業界に参入しようとして2年が経過しましたが、現在はそのほとんどが挫折してしまっています。

 僕自身Twitterアカウントを開設した当初に同じ駆け出しのエンジニアの方を多くフォローさせていただきましたが、その半数以上が3ヶ月もしないうちに全くつぶやかなくなってしまったり、アカウント自体を消してしまいました。

 またTwitterに表示されるおすすめユーザーもほとんどが同時期にアカウントを開設した駆け出しエンジニアなわけですが、そのつぶやきも大半が2018年の年末ぐらいで止まっているし、ほぼ9割が「#駆け出しエンジニアと繋がりたい」のハッシュタグを使用しています。

 体感として駆け出しエンジニアの挫折率は90%を超えており、世間一般でもそれぐらいの数字だと言われるのでこの確率の精度はそれなりに保証されているでしょう。

 また僕はStudyPlusと呼ばれる勉強時間記録SNSをTwitter開設と同時期に始めており、相互フォローの方が50人近くいて、2年経過した現在でもアクティブなのは10人ということを考えると、こちらの挫折率は80%。ただしStudyPlusはエンジニア以外の方もフォローしているので、エンジニアに限って挫折率を考えてみるとやはり90%というのはもっともな数字だと思います。

 

エンジニアのリアルな年収相場

 そんな挫折率90%の戦場をかいくぐって現在もエンジニアを続けている人がいます。そして今の所僕の観測範囲で「未経験から1年でフルリモート年収1000万円」を達成した人はいません。1000万円でなくとも、未経験から3年以内で年収が800万以上の、いわゆるハイクラス人材になれた人も聞いたことがありません。

 しかし、これに関しては悲観することがあまりなく、未経験から3年で年収500万突破という例ならゴロゴロ知っています。実際のエンジニアのリアルな年収相場は1年で50万円アップが平均的な値だと思います。もちろん今携わっている仕事がソフトのバグチェックをするデバッガーのような、市場価値が上がりにくい業務に入ってしまっているとダメですが、プログラムを書く実装の仕事に携わっていれば1年で50万円年収アップは堅いでしょう。

 これを楽観的に捉えるか、批判的に捉えるかはみなさんにお任せしますが、少なくとも高卒や、大学中退、もしくは僕みたいなFラン文系私立大学卒の人間が未経験から3年で年収500万円を超える職業は今の日本では他に無いと思うんですね。

 それにエンジニアはスキルアップの方法が非常に明確なので、年収を上げたいと思ったときにすべき行動が明瞭なのが良いポイントです。僕はエンジニアになる前は事務職をやっていたのでよく分かるのですが、事務職のような評価基準が曖昧なものは上司に気に入られないと給与が上がっていかないので、メンタルへの負担がかなり重いものになります。

 

駆け出しエンジニアを挫折させる2つの要素

①一部の先人エンジニアがモチベーションを下げる発言をする

②そもそも仕事終わった後に勉強すること自体が容易なものではない

angry-cat

老害エンジニアの害しか無い発言

 IT業界に限らず、どの界隈でも必ず若手に対して苦言を呈する老害というものが現れます。自分より若い人間がそれまで自分がしてきた苦労を全部すっ飛ばして、まして自分抜きでワイワイやっている姿を見るとどうしても憎まれ口を叩かずにはいられなくなってしまう人間が一定数は存在するのです。

 特に駆け出しの頃の右も左も分からない時代に「HTMLをやったぐらいでエンジニアを名乗るな」と言ってモチベーションを下げたり、更には「プログラミングスクールは現場で使える知識を教えない」とこちらを惑わしてくるなど、害しかありません。

 ある程度エンジニアとしてのキャリアを積むとそれらが嫉妬からくるポジショントークだと分かるのですが、特にエンジニアになるための勉強を開始した当初ではノイズにしかなりません。

 そこで今回は僕がエンジニアを始めて今までに見聞きしてきた老害エンジニアの発言と、その反論について書いていきます。

 

ハッシュタグを使って知り合い増やす行為が気持ち悪い

 人がワイワイ楽しくやっているところにいちいち「気持ち悪い」と口出ししてしまうパーソナリティの方が世間的には気持ち悪いと思われてしまいそうですけどね。

 

エンジニアの勉強は独学でやるものであって、馴れ合いでやるものじゃない。

 別に最初は馴れ合いでやってもいいのではないでしょうか。特に学習初期は心が折れがちなので、仲間と一緒に励まし合いながら勉強を進めるのは良いことだと思います。

 

ProgateでたかがHTMLをちょっと触ったぐらいでエンジニアになれると思うなよ

 じゃあ何をやったらエンジニアになれるかカリキュラムを示してあげてください。

 

プログラミグスクールを卒業しても現場では使い物にならない

 じゃあ何をやったら使い物になるかカリキュラムを示してあげてください。

 

ネットで全部無料で学習できるのに、わざわざスクールに行くやつはバカ

 じゃあどの無料コンテンツを勉強すればエンジニアになれるかカリキュラムを示してあげてください。
 そしてひとつ重要なのは「物理的に全部無料で学習できる」ことと「エンジニアとして働けるだけのスキルを身につける」の間には大きな溝があるんですよ。
 例えば大学受験のための予備校だって、本屋に行けば非常にクオリティの高いテキストが格安で売っている今の時代に行く意味はあるのでしょうか。他にもトレーニングジムだってAmazonで安価に器具が買えて家でも十分に筋トレができるのに、わざわざジムまで行く理由はなんなのでしょうか。
 確かに今の時代ネットで全て無料で学習は出来ると思います。ただ右も左も分からない駆け出しエンジニアが自分に合ったコンテンツを探し出し、しかも挫折することなくひとりで最後まで学習を完了させることは非常に困難でしょう。駆け出しの人間が最後まで学習を続けられるようにするため、スクールは存在しているのです。

 

プログラミングスクール卒や駆け出しエンジニアを叩くのは、中途半端な知識で現場に入られてこっちが迷惑を被るから

 昨日今日スクールを卒業した人間に簡単にアクセスされてしまうあなたの地位をまずなんとかした方がいいと思います。それに会社としても中途半端な知識の人間を入社させてしまう採用プロセスを見直さないと同様のことが今後も起きてしまいますよ。

 

「楽して稼げるから」という理由でIT業界に入ってこないでほしい

 物事を新たに始めるのに最初から崇高な理念を持っている方が珍しいと思うんですよ。例えば中学や高校の部活だって楽しそうだからという理由で入るのが大半だし、大学もやりたいことよりネームバリューや場所で選ぶじゃないですか。それに就職だって例えば電通や博報堂に入る人がみんな後世に残る広告を生み出したいから入社してるかって言うと、そうでないと思うんですね。まして恋人選びだって、最初は顔とか雰囲気とか外見で決めますよね。最初は不純な動機でも始めていくうちに段々とその面白さに気付いて本物になっていくものなので、参入するときの理由なんてどうでもいいんですよ。

study

仕事が終わってから勉強を継続する方法

 今まで勉強習慣がまったくなかった人が勉強できるようになるためは次の事柄を覚えておく必要があります。

  • 勉強は続かないのが当たり前だと思う
  • まずは1日1分でもやればOKとする
  • 勉強をしなくても机に向かう習慣をつける
  • ルーティンを決める

 

 順番に解説してきます。

 

勉強は続かないのが当たり前だと思う

 エンジニアに限らず、仕事が終わってから異業種に転職をするための勉強をすることはものすごく大変なことです。多くの駆け出しエンジニアが勉強の大変さを理解せず、甘い言葉に乗せられて勉強を開始するからすぐに挫折してしまう。だからこそ、まずは「勉強など続かないのが当たり前」という意識を持ってほしい。

 

まずは1日1分でもやればOKとする

 TwitterやStudyPlusを2年以上継続していて分かったのが「最初から長時間勉強してしまう人は大抵が挫折する」ということです。当初はやる気にあふれてプログラミングの勉強を5時間も6時間もやってしまうのですが、平日でひとたび残業が重なれば30分やるのもやっとの状態に。なまじ最初に5~6時間もやってしまっているために「なんで俺は30分もできないんだ」と罪悪感に駆られて勉強そのものを辞めてしまうのは本当によく見るパターンなのです。
 毎日定時で帰れるならまだしも、それなりに残業のあるサラリーマンが仕事が終わって家に帰ってから確保できる勉強時間なんて1日1時間もあれば良い方なんですよね。だから最初は1日1分から始めて、少なくとも昨日の自分よりも今日の自分が1mmでも成長していればOKとしましょう。

 

勉強をしなくても机に向かう習慣をつける

 勉強には「机に向かうフィジカルの筋肉」と「目の前の課題に取り組むメンタルの筋肉」の2種類があります。
 「机に向かうフィジカルの筋肉」は文字通り「どれだけ長時間机に座っていられるか」という体の筋肉です。今まで勉強習慣がほとんどなくて、明日から勉強を開始しようと思っているのであれば、まずは机に向かう筋肉をつけましょう。勉強が続かない理由を意思の弱さに求めることは多いのですが、そもそもフィジカルの筋肉がないから続かないという事実は意外と目を向けられません。僕の場合ですとエンジニアとしての勉強を開始した当初は1日1時間をノルマとして、まず最初の30分は簡単なExcelの勉強、残りの30分はその日の仕事の振り返りとして業務日誌を書いていました。とはいえExcelの勉強と言ってもしょっちゅう横道にそれたネットサーフィンをしていましたし、業務日誌もほぼポエムまがいのものを書いていただけです。 それでも1日1時間は机に向かうと決めていると次第に机に向かう筋肉ができ、机に向かうことが容易になったところで初めてプログラミングの勉強を開始しました。
 「目の前の課題に取り組むメンタルの筋肉」は「難しい問題にぶち当たっても勉強を継続させられる」という心の筋肉です。心にも筋肉があって、いきなりは難解な問題には取り組めないんですよ。特にプログラミングの場合はひとりだとエラーの原因が特定できないので、最初はエラーがでようもない簡単な問題から取り組む。本当はもう少し負荷の高いものをやればもっと伸びるのだとしても続かないのであれば意味がない。そうやって自分の出来る範囲をジワジワと広げていくことで難しい問題にぶち当たっても「今までやってこれたんだから、今度の問題も時間さえかければ出来るようになるだろう」という心の筋肉を鍛えていくのです。

 

ルーティンを決める

 日々の勉強を習慣化したいのであれば必ず「どんな時間に」「どんな手順で」勉強するかをルーティン化をしましょう。
 「仕事から家に帰ってきて、寝るまでの間のどこかで1時間だけやろ~」と思っていると絶対にうまくいきません。「今の自分」と「実際に勉強(行動)する」という行為の間に距離があればあるほど「やらない理由」がその間に割り込んできてしまうのです。
 例えば僕の場合ですと家に帰ってきてからは「料理→シャワー→夕食→皿洗い→コーヒーブレイク→勉強」をルーティンとして、毎日この動作を繰り返しています。これを決めていないと家に帰ってから「まずは休憩」と言ってソファの上でお菓子を食べながらスマホを触ってしまったり、テレビを見てしまったりと無駄に時間を過ごし、気づいたら夕食を急いで食べて寝ないといけない時間になってしまうことがほとんどです。
 実際に勉強できるか出来ないかは別として、まずはこのルーティンに則ってみる。僕も残業が重なったときは、一旦は机に向かうもののやはり疲労により1分としないうちに勉強を辞めたことが何度もあります。でも一度は机に向かってみると全然罪悪感などはないんですよね。

最後に:今の日本にエンジニアはひとりでも多くいたほうがいい

 日本のような資源のない国は物資を輸入に頼らざるを得なく、そうすると毎年一定額のお金が海外に流れていってしまいます。この状態が続けば当然日本は赤字となり不景気となるわけで、出ていくお金以上に外貨を稼がねばなりません。

 では今の日本で外貨を稼ぐ手段として一番最善の方法がエンジニアリング業なのです。特にソフト開発のような原資のいらないビジネスは日本にはうってつけで、まして団塊世代の引退によりエンジニアが不足することが確定している現在では、一人でも多くエンジニアを増やして、1ドル1ユーロでもいいから外貨を稼ぐ必要がある。

 だからこそ今回僕はこの記事を通じて、エンジニアをひとりでも増やすことに貢献したかったし、駆け出しの人が少しでも勉強を続けられたら良いなと思っています。

 エンジニアになるための勉強は大変ですが、諦めずに続けていきましょう。

関連記事

-考え方

© 2022 名古屋とエンジニアリング