敢えて少し刺激的なタイトルを付けました。
僕自身30歳を超えてからフィリピンに留学に行っているのに。
それはともかく僕は、30歳を超えて語学留学に行った人の多くは、帰国後に思い描いていたようなキャリアを築けていないと感じています。
もちろん、これは大規模な統計調査に基づく話ではありません。僕がフィリピンの語学学校で出会い、その後SNSを通じて約2年間様子を追った、30歳以上の留学生10人ほどを見ての個人的な感想です。
それでも、大金と時間をかけて留学したにもかかわらず、帰国後により良い仕事に就いたり、年収を大きく上げたりした人が少ないことは気になりました。
僕自身の体験から言うと、留学は非常に素晴らしく、機会があれば誰もが行くべきものだとは思います。しかし日本では特に30歳を超えてから仕事を辞め留学に行く人間はあまり良い目では見られません。
「えぇ~留学に行くなんて行動力あるし、いいじゃ~ん」ぐらいに思っていると痛い目に遭います。
今回は実際にどのように見られてしまうのか、それを踏まえてどう行動すべきかという話をしていこうと思います。
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3か月の留学には約100万円かかります
僕が通っていたフィリピンの語学学校では、多くの生徒が3か月ほど滞在していました。
学費や滞在費などを合わせると、費用はおよそ100万円です。
さらに、会社を辞めて留学した人の場合は、その期間に得られたはずの給料も失っています。帰国後すぐに仕事が見つかるとも限りません。
実際の負担は、表面的な留学費用である100万円よりも大きいです。
それだけのお金と時間を使うのであれば、帰国後に英語を使った仕事に就いたり、年収を上げたりすることを期待する人も多いでしょう。
しかし、僕が見た範囲では、その期待に見合う成果を得た人は少なかったです。
帰国後も留学前と似た仕事をしています
たとえば、留学前に事務職をしていた人がいました。
その人はキャリアアップのために留学したと話していましたが、帰国後も以前と似た仕事に就いているようでした。少なくともSNSを見る限りでは、英語を使った仕事をしている様子や、年収が大幅に上がったという報告はありませんでした。
ほかには、ホテルで働いていた人もいました。
その人は、将来的に海外のホテルでも働けるようになることを目標に留学していました。しかし、帰国後約2年が経過しても、海外で働いている様子は見られませんでした。
もちろん、SNSに仕事の状況をすべて投稿しているとは限りません。そのため、彼らが何も得られなかったと断定することはできません。
ただ、少なくとも留学中に話していた目標を実現した様子は、外から確認できませんでした。
留学しただけでは英語を話せるようになりません
僕が通っていた学校には、およそ100人の生徒がいました。
そのなかで、日常会話ができるようになったと胸を張って言える人は、僕の目から見て、多く見積もっても10人程度だったと思います。
理由は単純で、大半の生徒が十分な自習をしていなかったからです。
ただ漫然と授業を受けながら、次のように考えているように見える人が多くいました。
海外に来れば、自然と英語を話せるようになるだろう。
しかし、語学学校の授業に出席するだけで、英語が自由に話せるようになるわけではありません。
授業で学んだ表現を復習し、単語を覚え、文法を確認し、自分で何度も口に出して練習する必要があります。授業外でも、最低3時間程度は自習しなければ、短期間で目に見える成果を出すのは難しいと僕は思います。
実際に毎日3時間程度の自習をしていた人は、100人のうち30人ほどしかいませんでした。
100万円を支払い、仕事を中断して外国まで来ているにもかかわらず、自習をしないのです。
この姿勢を見れば、帰国後に英語を武器にしてキャリアアップできる人が少ないのも、そこまで不思議ではありません。
30歳を超えてからの留学が厳しく見られる理由
20代前半の留学と、30歳を超えてからの留学では、周囲からの見られ方が異なります。
30歳を超える頃には、多くの人が仕事上の経験を積み、ある程度の専門性や実績を築いていることを期待されます。
その時期に会社を辞めて語学留学へ行くと、採用する側からは、次のような疑問を持たれる可能性があります。
- それまでの仕事で十分な実績を築けなかったのではないか。
- 嫌なことが起きたら、また会社を辞めてしまうのではないか。
- 英語さえ話せれば人生を一発逆転できると考えているのではないか。
もちろん、30歳を超えて留学する人が全員このような人物だという意味ではありません。
会社を辞める事情も人によって違います。留学制度のない会社も多く、優秀な人でも自費で留学することはあります。
それでも、採用側からそのように見られる可能性があることは、自覚しておいたほうがよいでしょう。
本人がどれほど前向きな挑戦だと考えていても、相手が同じように受け取ってくれるとは限りません。
英語だけではキャリアを作れません
語学留学を考える人のなかには、次のように期待する人もいます。
英語が話せるようになれば、今より良い会社に入れる。
英語を身につければ、人生を逆転できる。
しかし、英語はそれだけでキャリアを作ってくれる魔法の能力ではありません。
企業が求めているのは、英語だけを話せる人ではなく、英語を使って仕事ができる人です。
ITエンジニアであれば、プログラミングやシステム開発の能力がまず必要になります。営業職であれば、商品を売る力や顧客との関係を築く力が必要です。ホテル業界であれば、接客や運営に関する実務経験が必要になります。
英語は、すでに持っている専門性を別の国や市場でも使えるようにする道具です。
専門性がない状態で英語だけを身につけても、帰国後に突然、高収入の仕事に就ける可能性は高くありません。
30歳を超えても留学で成果を出せる人
では、30歳を超えてからの語学留学には意味がないのでしょうか。
僕はそうは思いません。
条件がそろっていれば、30歳を超えてからでも留学をキャリアにつなげることはできます。
英語以外の専門性をすでに持っている
一つ目の条件は、英語以外の専門性をすでに持っていることです。
たとえば、ITエンジニアとしてプログラミングやソフトウェア開発の経験がある人であれば、英語力を身につけることで、海外案件や英語を使う業務に仕事の範囲を広げられます。
留学前から一定の英語力を身につけている
二つ目は、留学前から一定の英語力を身につけていることです。
一つの目安としては、TOEIC730点程度でしょう。
基礎的な文法や単語すら身についていない状態で留学すると、現地で日本でもできる勉強に時間を使うことになります。
基礎を日本で固めておけば、留学先では会話練習や実践的なコミュニケーションに集中できます。
帰国後の目標が明確である
三つ目は、帰国後の目標が明確であることです。
入社したい企業、就きたい職種、始めたいビジネスが決まっている人は、そこから逆算して必要な英語力や経験を考えられます。
反対に、帰国後の計画がないまま、次のように考えて留学するのは危険です。
とりあえず英語を話せるようになれば何とかなる。
僕は30歳を超えてからフィリピンに留学しました
ここまで厳しいことを書きましたが、僕自身も30歳を超えてから会社を離れ、フィリピンへ3か月間留学しています。
留学後は、日常会話であれば問題なく話せるようになりました。
帰国後には、フィリピンで3か月間生活した経験を、仕事上の強みとして説明しました。
フィリピンは、日本と同じように生活できる環境ではありません。交通、衛生、食事、治安、通信など、日本とは異なる部分も多くあります。
その環境で3か月間生活できたことで、海外出張にも対応できることや、英語を使った業務にも抵抗がないことをアピールできました。
その結果、僕は高単価のフリーランス案件を獲得できました。
ただし、僕は留学によってゼロから人生を逆転したわけではありません。
もともとエンジニアとしての実務経験があり、留学前の時点でTOEIC860点を超えていました。
現地でも、学校内でトップクラスと言えるほど自学自習を行いました。
つまり、留学だけで結果が出たのではありません。
それまでの専門性、留学前の英語学習、現地での努力、帰国後の見せ方が組み合わさったことで、初めて留学経験を仕事につなげることができました。
30代の留学では、周囲からの見られ方も考えます
僕は留学前から、30歳を超えて仕事を辞めて留学する人が、周囲からどのように見られるのかを考えていました。
30代で気軽に仕事を離れられるということは、それまでのキャリアで大きな実績を挙げていないのではないか。
フットワークが軽い反面、何か嫌なことがあれば、また仕事を辞めてしまうのではないか。
英語さえできれば一発逆転できるという、浅い考えで留学したのではないか。
採用側からそのような懸念を持たれる可能性があると考えていました。
そこで僕は、面接で相手から指摘される前に、自分からこの点に言及しました。
日本にいる時点ですでにTOEIC860点を超えており、日本国内でできる基礎的な英語学習は十分に行ったこと。
そのうえで、会話力と海外生活への適応力を高めるために留学したこと。
そして、30歳を超えてから留学する人が周囲からどのように見られるかも、自分自身で理解していることを伝えました。
留学した事実だけを話すのではなく、なぜその年齢で留学する必要があったのか、留学で何を得たのか、それを仕事でどのように使うのかまで説明しました。
30歳を超えてからの留学では、英語力を伸ばすだけでは不十分です。
「なぜ今さら留学したのか」という疑問に、自分の言葉と行動で答えられなければなりません。
留学は素晴らしいものです。しかし、行くだけでは報われません
語学留学は、人生経験として素晴らしいものです。
外国で生活し、さまざまな国籍や経歴の人と出会い、日本ではできない経験をします。その価値は、年収や転職だけで測れるものではありません。
人生経験を目的として留学するのであれば、それも一つの選択だと思います。
しかし、キャリアアップを目的に30歳を超えてから留学するのであれば、人生経験として楽しかっただけでは不十分です。
- 周囲から自分がどのように見られるのか。
- 帰国後に何をするのか。
- 英語をどの専門性と組み合わせるのか。
- 留学によって、どのような能力や実績を証明するのか。
これらを考えずに行動すると、帰国後に思い描いていたようなキャリアを築けない可能性が高いです。
留学は人生を自動的に変えてくれるものではありません。
留学前に積み重ねたものがあり、留学中に努力し、帰国後に経験を仕事へ変換できた人にとって、初めて大きな意味を持ちます。
30歳を超えてから語学留学を考えている人には、留学そのものを目的にしないでほしいです。
帰国後の人生から逆算した結果として、留学を選ぶべきだと思います。
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