考え方

僕を惹きつけて止まない経歴詐称系インフルエンサーと、「粋」の文化

 インターネット有史以来、数々のインフルエンサーたちが登場し人々の羨望を集めては、実はその華やかな経歴はすべて嘘だったということが暴かれるイベントが定期的に発生します。

 一介のインターネットユーザーとして僕もブロガー界隈を始めとする様々な界隈に足を突っ込んでいるのですが、中でも「経歴詐称系インフルエンサー」というトピックが僕を惹きつけて止まないのです。

 

 僕がインフルエンサーの経歴詐称に惹かれてしまうのかというと理由は大きく分けて2つあって、1つ目は「自分を大きく見せる努力量をまともにビジネスに投下したら普通に成功してたんでないの? と思わせてくれるところに趣があるから」なのです。

 特に僕の大好きなビジネス系インフルエンサーは「大学と同時に起業。自身がCEOを務める会社は設立から3年で年商100億突破! 今や都心の一等地に、まるでカフェのような洒落たオフィスを構え、そこでイケイケな若手社員と共に和気あいあいと働いている」というストーリーを見せがちですが、そう人々に信じてもらうための努力がかなり涙ぐましいんですよね。

 高い収入を得ているように見えるよう、借り物の家やプライベートジェットを自分の所有物と言い張ったり、イケイケなビジネスを展開しているかのように偽装するため色んなビジネス書からアイデアを引用したりと、「なぜその努力を真っ当にビジネスに捧げられなかったんだ!!??」と思わせてくれます。

 架空の経歴という火薬を詰め込めば詰め込むほど、打ち上げられたときに盛大かつキレイに爆発するわけですが、その姿が日本で言うところの花火と仕組みが全く同じなんですよ。

 花火ってけたたましい音と共に広範囲に火花が散って、それでいて一瞬で終わるからこそ我々は「粋(イキ)」だと思うわけじゃないですか。例えば花火が1時間もバチバチと火花を飛ばしていたら誰もそこに魅力を感じないはずです。

 だからたまにTwitterでGAFA出身と名乗りつつ線画似顔絵アイコンを載せ、最先端の技術を使って製品開発をしていると言ってる割には綺麗に文字数を合わせた毒にも薬にもならない仕事論を語っているアカウントを見ると僕もヨダレが出ちゃうんですよね。

 おいおい、お前ギチギチに火薬詰め込んどるやんけ。
 どっか発火点出たら盛大に燃えるぞ、と。

 夏に打ち上げる花火、高校生カップルSNSアカウント、悲劇の史実を元にした映画。結末がわかっているからこそ、有限の輝きの美しさに心を打たれてしまうんですね。

 

 2つ目の理由は「自分(東城)が同じように経歴を盛ったところで、彼らと同じぐらいの羨望を集められないだろうなと思うから」です。

 よく経歴詐称系ビジネス系インフルエンサーが売る情報商材を騙されて買っちゃった人が「あいつがGAFA出身じゃなかったらこの商材を買わなかったのに!」と言うんですけど、それって半分正解で半分不正解なんですよ。

 例えば僕が明日から新たに各種SNSのアカウントを作って「ワイは元Googleでぇい!! この商材を買えばみんなボロ儲けてござーる!!」とゴリゴリに経歴を偽って何か売ったところで、商品が捌けていくことがないのは想像に難くないでしょう。

 経歴詐称系インフルエンサーがなぜインフルエンサーになれるかというと、結局の所「どういう人間に人は惹きつけられるのか」というところを正確に把握しているからなのです。

 もちろんその商材の中身がちゃんとしたものであろうとなかろうと、広告に貼り付けてる経歴が虚偽であれば立派な犯罪ではあるのですが、自分が何に惹かれて騙されてしまったのかを冷静に見つめないとまた同じことが起きてしまいます。

 ビジネス系インフルエンサーの中にはサロンを作って会費を徴収した上に、メンバーにタダ働きをさせる人間もいたりしますが、それを見ると「マネジメント力、すげぇなぁ・・・」とため息が出てしまいます。

 僕なんかはお金が絡んでいる自社業務ですらひとりの部下の指導にこまねいているのに、インフルエンサーとなると数百人、しかも無償で働かせる手腕を見ると「そのマネジメント術、教えてもらえませんか?」と頭を下げたくなってしまいます。(注:無償労働の強要は犯罪です)

 

 以上が、僕が経歴詐称系インフルエンサーに惹かれてしまう理由でした。

 かくいう僕も社会人なりたての頃はよくインフルエンサーの販売する情報商材を買ってしまっていました。

 でもそんなネットの一部で有名になっただけの人が書く数千文字のテキストを読んだだけではリッチな生活なんて手に入れられないんですよね。

 結局、真面目にコツコツやるしかないんですよね。

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