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最近観た映画『フォードvsフェラーリ』『アメイジング・スパイダーマン2』『ジェイソン・ボーン』

 AmazonPrimeで映画を何本か観ました。

 ※『フォードvsフェラーリ』以外はAmazonプライム会員であれば無料で視聴可能です。

①『フォードvsフェラーリ』

上映時間

 153分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★★

 

ストーリー

 カーレース界でフェラーリが圧倒的な力を持っていた1966年、エンジニアのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)はフォード・モーター社からル・マンでの勝利を命じられる。敵を圧倒する新車開発に励む彼は、型破りなイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に目をつける。時間も資金も限られた中、二人はフェラーリに勝利するため力を合わせて試練を乗り越えていく。<Yahoo!映画>

 

感想

 監督のジェームズ・マンゴールドは『コップ・ランド』や『3時10分、決断のとき』のような「男同士のジリジリとした人間ドラマ』を描くのが得意というのが僕の中での印象です。

 フィルモグラフィーの中にはトム・クルーズ&キャメロン・ディアスと組んだ『ナイト&デイ』やウルヴァリンシリーズの『ウルヴァリン: SAMURAI』のような一級エンタテイメントを手掛けることもありますが、ミュージックビデオ出身の監督がよくやる「過度な盛り上がり」を設計するタイプではないと思っています。

 今までのキャリアを見てみても、どれも「突き抜けて面白い!」というわけでもなく、かといって「つまらない!」という作品もない堅実な職人監督。最低でも70点ははじき出すけど90点はなかなか超えないという。

 初めて『フォードvsフェラーリ』のストーリーを聞いて、そして監督がマンゴールドと知ったときは「まさにうってつけの監督じゃないか!」と思ったものです。

 さて、肝心の中身はと言うと「平凡」という出来でした。
 いや、平凡以上、傑作未満、というか。

 ストーリーとしてはフェラーリにバカにされたフォード陣営がそれを見返すためにル・マンで勝利を目指すというお話ですが、序盤の大きな山場としてはフェラーリにバカにされるところ。ただここをマンゴールドはいつもの癖で「大きく盛り上げすぎない」という演出をします。

 確かに「盛り上げすぎない」という手法もいいのですが、その後大きな山場という山場が来ないので、その状態でさすがに153分を引っ張るのは辛かった。

 こういうカーレースを題材にした映画であれば技術的な話で観客をアッと驚かすことも出来るのですが、それもしない。特に苦労らしい苦労もなく最後のレースに挑んでしまうわけですよ。

 せっかくカーレースという数字が出る競技を扱っているのであれば最初の方にフォードとフェラーリがどれだけタイムに差があるのかを見せて、中盤ではそれが技術力でどんどん縮まっていく様子を見せれば盛り上がったはずなのに。

 そして最後には「あと数秒というところまでフェラーリに迫った。これ以上タイムを縮めようと思うと、このエンジンを使うしかない。だがこのエンジンには耐久性に問題があって、ドライバーが繊細に運転をしなければ最悪爆発の恐れもある。さぁ、どうする」と設定できればサスペンスも生まれたのに。

 ストーリーはさておき、この映画で特に秀逸だったのはクリスチャン・ベール演じるケン・マイルズ。僕はケン・マイルズがどういう人物かは知りませんがクリスチャン・ベールの演技は「多分似てるんだろうな」と思わせるほど奥行きのある動きをしていました。

 ちょっとした首の動かし方とか「あぁケン・マイルズは天才肌で頑固者で、今ままで幾度となく周りの人間と衝突してきたんだろうな」と、それまでの人生をイメージさせてくれるんですよね。

 

②『アメイジング・スパイダーマン2』

上映時間

 142分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★

 

ストーリー

 スパイダーマンとしてニューヨークの平和を守り、グウェン(エマ・ストーン)との関係も好調なピーター(アンドリュー・ガーフィールド)。だが、旧友のハリー・オズボーン(デイン・デハーン)がニューヨークに戻ってきたのを機に、充足していた生活が微妙に変化していく。そんな折、サイ型パワードスーツを装着したライノ(ポール・ジアマッティ)、人間発電機エレクトロ(ジェイミー・フォックス)という敵が出現。苦闘を強いられる中、追い打ちをかけるように怪人グリーン・ゴブリンとなったハリーが襲い掛かってくる。<Yahoo!映画>

 

感想

 何もかもが驚くほど中途半端!

 今回の敵であるエレクトロはスパイダーマンと戦わねばいけない理由が薄いし、グリーン・ゴブリンの登場も「えっ、それだけ?」という分量。ピーターの父親の死の謎も中途半端に解明されてストーリー上あってもなくてもいいし、そもそもスパイダーマンがどういう立ち位置なのかも不明。モテなくて報われない設定なの?

 まず最初に敵の存在を見ると、今回のメインヴィランはエレクトロ。ジェイミー・フォックス演じる冴えない電気技師が不慮の事故でエレクトロと化してしまいます。

 このジェイミー・フォックスのおどおど演技非モテ演技が素晴らしい。本人はオラオラ系であることが各所でバラされているものの、そのジェイミー・フォックスが(恐らく)DTにちゃんと見えるから大したものです。それにちょっと人から優しくされるとその人にのめり込んでしまうあたり「現実にもこんな人いるよ!!」と思ってしまいます。

 そんなエレクトロが暴君と化して最後は街全体を停電させようとするのですが、その際にスパイダーマンが戦わないといけない理由がすごい薄いんですよ。パワーバランス的に「スパイダーマンぐらいしか止められそうな人がいないから、仕方なく戦う」ぐらいの責任感。

 例えばこれが

『危険に身を晒すから』という理由でグウェンと別れたピーター。しばらくしてグウェンが別の男とともにイギリスに留学に行くという話を聞く。最後にもう一度話したいと思うがプライドが邪魔をし、なかなか連絡を取ることが出来ない。そうしているうちにグウェンはイギリス行きの飛行機に乗ってしまった。と、そこに現れたエレクトロによって街全体が停電し、管制司令室からの情報もなくなった飛行機はあわや墜落の危機。そこでピーターはグウェンを救うため立ち上がるが、エレクトロを倒すということは同時にグウェンとの完全な別れを意味する。苦悩の中、ピーターはなんとかエレクトロを倒し、グウェンの飛行機は墜落の危機を免れる。ふとグウェンが飛行機の窓から街を見下ろすと、ピーターが街の明かりを操作をして作った『僕は君の味方だ』とメッセージを見る

 というお話だったら、ピーターの成長譚にもなったのに。

 続いてピーターの父親の死の謎も、結局の所メインストーリーに絡んでこず、全カット可能なんです。全カット可能ということは映画の面白さに寄与していない。寄与しないならちょっとでも映画全体の尺を短くしたほうがクオリティが上がる。

 いや、確かに途中の謎が解明されていくところはワクワクしましたよ。ただ最後まで観ると「結局関係ないんかい!」と肩透かしを喰らってしまいました。

 そして最後に "スパイダーマン" という物語のフォーマット自体のお話になるのですが、スパイダーマンの面白さは「スーパーヒーローであるスパイダーマンが所詮はひとりの高校生であり、ときに悩みながらも前に進んでいく」というところじゃないですか。この「悩みながらも」というところが「続編」とは絶望的に噛み合わせが悪いんですよ。「前作でヒーローとして成長したはずなのに、お前またクヨクヨ悩んどるんかい」、と。

 そもそもこの「悩みながらも」というヒーロー像がそれまでのスタローンやシュワルツネッガーが演じてきたような強いアメリカのアンチテーゼとしての面白さがあったわけなのですが、それがさすがに2010年代になってくるとヒーローが悩むところも珍しくなくなってくる。特にサム・ライミ版スパイダーマンの1作目が公開されて以降、スーパーヒーローはどいつもこいつもクヨクヨと悩みすぎてるわけです。

 それにアンドリュー・ガーフィールド(以下、ガーヒー)演じるピーターも、冴えない高校生なのかイケてる高校生なのか立ち位置が不明なんですよ。ガーヒー自体はどう見たってイケメン陽キャじゃないですか。それに恋人のエマ・ストーン演じるグウェンだって100人が見たら100人が美人だと答えるアメリカン・ビューティーじゃないですか。それが設定上冴えない高校生と言われても無理が発生してるんですね。

 そう思うとサム・ライミ版スパイダーマンのトビー・マグワイアの陰キャ感や、キルスティン・ダンストの絶妙に美人じゃない感じも本当にベストキャスティングだったんだなと痛感させられます。

 

③『ジェイソン・ボーン』

上映時間

 124分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★

 

ストーリー

 ひっそりと暮らしていたジェイソン・ボーン(マット・デイモン)の前に、CIAの同僚だったニッキー(ジュリア・スタイルズ)が姿を現す。彼女はCIAが世界中を監視・操作するための極秘プログラムを立ち上げたことと、ボーンの過去にまつわるある真実を告げる。これをきっかけに、再び動き始めたボーンの追跡を任されたCIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)は、彼を組織に取り込もうとするが……。<シネマトゥデイ>

 

感想

 この映画の問題点は映画が立ち上がって1時間以上経たないと物語的なゴールが見えてこない点です。

 アクション映画界に革命を起こしたと言ってもいいボーンシリーズは何が良かったかと言うと、シンプルに「逃げるボーンと、ボーンを殺さんとする追跡者の攻防に特化した点」なんですよ。

 ひとりの記憶を失った暗殺者が自らのアイデンティティを求めて世界を飛び回るという話は1作目の『ボーン・アイデンティティー』で終わっているし、よくて2作目の『ボーン・スプレマシー』まで。

 じゃあなんで3作目の『ボーン・アルティメイタム』がシリーズ最高の興行収入を叩き出したかと言うとやはりそれはCIAの暗殺者達によるスマートな戦いを見事に描ききったからなのです。

 僕も『ボーン・アルティメイタム』を初めて映画館で観たときはあまりのボーンの頭の良さに舌を巻いていました。映画が終わったあとはサントラを買ってウォークマンに曲を入れて、無駄に人混みの中をキョロキョロしていましたし、なんなら昔イギリスに旅行に行ったときも『アルティメイタム』のロケ地でウォータールー駅まで行きましたからね。

 さて、ストーリー的には終わったシリーズを無理に広げようとしたのが本作のダメなところ。広げようとしたところでやっぱり今回もボーンの人生の全体像は見えてきませんでした。ちょっとしか見せないなら、最初から何も見せなければいいのに。

 それにボーンシリーズの最大の特徴であるクラヴマガによるアクションもほとんど無いという有様で非常にがっかりしました。

※今回紹介した作品はAmazonPrime会員の無料体験でも視聴可能です。

 

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