映画

すべての要素を均等にパワーダウン『ジュマンジ/ネクスト・レベル』

 映画館で『ジュマンジ/ネクスト・レベル』を観ました。

 

上映時間

 123分

 

オススメ度

 星5点満点中:★★

 

ストーリー

 ジュマンジをクリアして2年。大学生になったスペンサーは、破壊したジュマンジを修理しようとして再びゲームの中に吸い込まれる。ベサニーたちもジュマンジにログインするが、バグったゲームの世界ではキャラクターが入れ替わり、スペンサーの祖父たちもジュマンジの中に入ってしまう。そして新たに砂漠や氷山などのステージが追加されていた。<Yahoo!映画>

 

感想

 前作『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』はソニー映画史上最高額の興行収入を稼ぎ出し、またそのストーリー性からも批評家から大絶賛された作品です。
 『ウェルカム・トゥ・ジャングル』に関しては僕も公開当時劇場に駆けつけ、その面白さに映画館ながら思わず声に出して笑ってしまったことをよく覚えています。

 

 本作の主演であるドゥエイン・ジョンソンはこのブログでも度々取り上げていますが、かつて『スコーピオン・キング』で映画デビューした際には誰もがB級アクション映画俳優として終わると世間の誰もが思っていました。
 それが今や出る作品が軒並み全米興行成績1位を獲得。世界で最も稼ぐ俳優になってしまいました。

 演技力に関しても申し分なく、『ウェルカム・トゥ・ジャングル』ではあの体格で童貞という役どころを見事に演じきった様にはちょっと感動してしまいましたね(笑)

 

 そんなわけで『ウェルカム~』の続編である本作に関してはかなり期待していたのと同時に「同じキャストで続編を作るとなると物語のシステム上、パワーダウンは必至だぞ」と思っていたら・・・

 見事その通りになってしまいました。

 

 今回は僕が本作『ジュマンジ/ネクスト・レベル』を観ていて気になったポイントについて取り上げていきたいと思います。

 

ゲームの世界に巻き込まれる理由が自業自得なのでカタルシスが得られ辛い

 これはもう物語の致命的な欠陥だと思うのですが、ジュマンジの魅力って「ふとしたキッカケから理不尽なゲームに巻き込まれる」ところにあると僕は考えています。あくまでも不可抗力的にゲーム側から誘い込まれて、その理不尽なゲームのルールを徐々に理解して、仲間と協力してゴールを目指す。
 ところが本作『ネクスト・レベル』の場合、主人公のスペンサーが「ジュマンジのゲームの中であれば現実と違って活躍できるので、自分から進んでゲームの中に入った」ですからね。そしてスペンサーを助けるためにしぶしぶかつての仲間もゲームの世界に入っていくのですが、たとえ困難なミッションをクリアしたところで、大本が「自らゲームの世界に入った」なので、カタルシスが非常に得られにくいわけですよ。
 たとえスペンサーが大変な目に遭おうとも「いや、お前が自分からゲームの世界に入ったからやんけ!」と思わず突っ込みたくなってしまうのです。

 

テンポを損なう無駄なエピソードの挿入

 今回前作からの捻りということでゲームのキャラには主人公のおじいちゃんとそのかつての同僚が入り込んでしまうという設定がなされており、それが最初はなかなか笑えます。
 現実の世界ではテレビゲームの世界観が分かっていない二人の老人がそれぞれドウェイン・ジョンソンとケヴィン・ハートに乗り移りゲームの世界を旅するわけですが、そもそもテレビゲームというものが分かっていないためトンチンカンな行動をとってしまいます。
 それがジェネレーションギャップネタとして笑えるわけですが、最初はこれでいい。だけれども後半になってくると段々とそれが「早くお前らこの世界のルールを理解しろよ!」とイラ立ってくるわけですよ。
 特にケヴィン・ハートの方に乗り移ったおじいちゃんの方は喋り方が老人特有のスローさと回りくどさで、最初はそれも笑えるのですが、後半では「さっさと早く喋れ!!」と思ってしまいました。
 イラつかせ系ギャグがギャグとして成立するのは最初の一回だけなんですよね。
 全編を通して無駄なジェネレーションギャップ口論が差し込まれ、それがストーリー上有効に作用してないんです。あと20分ぐらいは切れるシーンがあったので、もったいなかったなぁと思います。

 

伏線を回収しないラストバトル

 前作『ウェルカム~』のラストバトルの何が良かったって、それぞれのキャラがラスボスを倒すために協力しつつ、そして映画冒頭から提示されていた伏線を最後にスカッと回収してエンディングを迎えるために爽快感が半端ない事になっていたのですよ。

 ところが本作の場合、ラストでドウェイン・ジョンソンがボスと戦っている間他のメンバーはただそれを見守っているだけ。なんだこの脚本の締りのなさは。

 そしてその倒し方も至って平凡なもので「おおっ!」とはならないんですよ。

 前作がヒットしたおかげで、急ごしらえで脚本を書いたのがよく分かるようなストーリー構成でした。

 

希薄になったテーマ

 そして最後に僕が一番気になったのは、この映画のテーマです。

 前作で設定されていた「スクールカーストにより普段は絶対に交わることのなかった別々の階層の人間が、ジュマンジと呼ばれるゲームに参加し、共に困難を乗り越えることでかけがえのない友情を育む」は、本作では「かつて経営方針をめぐり仲違いしてしまった二人が、共に困難を乗り越えることで和解する」というものに変えられていました。

 いや、確かに同じテーマを繰り返すわけにはいかないとは思いますが、それにしても前作であれだけ素晴らしいエンディングを迎えていると、本作のパワーダウンの落差には驚いてしまいます。
 しかも前作の場合には少しほろ苦さも感じさせつつ、それもまたラストのラストで見事に救いのある展開を見せていて、あれだけ素晴らしいエンディングもなかなかありませんでしたからね。

 

 と、ここまで辛辣な意見を並べてきましたが、とはいえやはりハリウッドの盤石な脚本構成やギャグ、そして主演のドウェイン・ジョンソンのチャーミングさにはやはり惹かれてしまい、上映時間123分中に退屈だなぁと思うことはほとんどありませんでした。
(「このシーン、いるか?」と思うところは度々ありましたが)

 たとえて言うなら本作は、前作から "映画の面白さレーダーチャート" から各要素を均等に1ポイントずつ引いていったような映画になっています。

 

 本作はともかく、前作をまだ観られていない方がいましたら、前作は是非おすすめなのでぜひ御覧ください。

-映画

© 2022 名古屋とエンジニアリング