世の中スクールは数あれど、プログラミングスクールほど世間から過度に期待されている教育機関もないと思うのです。
僕は本業で組み込み系エンジニアとして家電製品の開発に勤しんでおり、IT関連の情報はこまめに見るようにしています。その中でも数ヶ月に一度必ずと言っていいほど「プログラミングスクール卒の人間を面接or採用してみたが、全く使い物にならなかった」という長文のエントリーがバズります。
しかしこの手の記事を読むと毎回僕は「プログラミングスクールは世間から過度に期待されて大変だなぁ・・・」と思うのです。
世の中にはスクールと名のつくものは多数にありますが、スクールはそこに通ったからと言って必ずスキルが身につくわけではないのです。僕自身もプログラミングスクールにいくつか通った経験があるので特にそれを痛感しています。
例えば予備校だってそこに通えばどんな人間だってMARCH以上の偏差値の大学に行けるかと言ったらそうではないでしょう。他にも英会話スクールだって「3ヶ月でTOEIC200点アップ!」「1年でネイティブと対等に話し合えるビジネス英会話スキルが身につく!」とよく謳っていますが、果たして受講生の何割が広告で謳っている通りの結果を出すことができるのでしょうか。
スクールではなくともダイエット目的の健康食品もスキンケア商品だって広告通りとはならない。ましてプログラミングスクールに対して批判的な記事を書いている企業も求人には「福利厚生完備! 継続して働きやすい環境です!!」なんて書いていながらも実情はどうなっているか分かったものではありません。
このようにスクールや、世に広告を打っているもののほとんどが宣伝通りに結果が出ないのが当たり前でみんなも見過ごしているのに、やれプログラミングスクールに対してだけは「ちゃんと修了したのに使い物にならないぞ!」と糾弾するのです。
そもそも教育コストのカット目的でスクール卒を面接or採用してみたけど全然使い物にならなかったという話は、婚活で例えるなら「安定した暮らしを送りたいために相手の書いているスペックだけで結婚相手を選んでみたら、結婚後に相手が無職の借金持ちだと判明した」みたいな恥ずかしい話なんですよ。さも自分が被害者かのように長文で書いていい類のトピックではない。
いかにスクール卒が使えないかという話に数千文字費やせるのであれば、同じ労力でどのようなスキルを持っていてほしいか書いていたほうがよっぽど世の中のためになります。現時点でスキルはなくとも「最低限これだけは勉強してきてほしい」という具体的な勉強法を書いておけばお互い不要なストレスを生まなくて済むはずです。それこそ募集要項に課題を書いておいて、課題ができた人間は面接確約、ないしは基本給アップとすればみんなが得するシステムになるでしょう。
そういった採用したい人材を明確に定量化しないまま、なんとなくで採用を続けている限り「なんとなく違うんだよなぁ」という気持ちを抱き、延々と人材確保に苦労すると思うんですよね。
アフターコロナでIT業界はリモートワークが主流となる中、きっと「教育」という文化は廃れて行くのだと思います。そんな時代だからこそ企業は個人にどのようなスキルを身に着けておいてほしいか明確に提示しなくてはいけないし、個人も企業が提示するスキルを獲得するために勉強をしなくてはなりません。
僕も世の中が少しでも良くなればいいと願い、普段からプログラミングや英語の勉強記録をブログに投稿しています。みんなで「どうやって勉強をすればスキルを身に着けられるか」「どうやると効率が悪いのか」という情報を共有し合っていけば、世の中は必ず良い方向に向かっていくはずです。
同じ時間を費やすのであればお互いがプラスの方向に進む事柄に時間を使いましょう。
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