※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

考え方

「低賃金には雑な労働を」はさすがにまずいんじゃないか

 ネットで定期的にバズるトピックとして「日本人は低賃金でも真面目に働きすぎ。賃金低いんだからもっと雑に働こーぜ!!」というものがあります。こういったフレーズを見るたびに僕は思うことがあります。

 

 バッカじゃねーの!!??

 

 新卒3年以内の若造が言うならまだしも25歳を超えて更には30歳も越したオッサンが言っていいセリフじゃねーだろ。

 まずね、月でも年でも良いけどあなたの売上っていくらよ? もしあなたが月100万円の売上を出しててそれでもらえる給料が10万円とかなら話は分かるよ。でも1日フルタイム8時間+数時間の残業×20営業日働いているからって「なんとなく額面で月30万欲しいなー」っつってんなら今すぐこの場で考えを改めろ。

 もし自分の売上を正確に把握した上で、それでも経営サイドが搾取すると言うならそのまま転職活動して「今自分は売上を月に◯◯万円出しているのに給料は△△万円しか貰えないんです。御社が△△万円以上出してくれるのならそちらに行きます」って交渉できるんですよ。

 でもこういう「雑に働こうぜ!」論の人って自分の売上に関する話を頑なに出さないんですよね。聞いてもスルーか、よくて「え、売上…? はて…売上とは……(キョトン)」となるぐらいで。急に知能を低下すな。

 よく「日本人は低賃金でも丁寧な仕事をするから労働力の安売りになって給料が上がらない」とは言われますが、それは昨今の日本の状況を正確には表せていません。正確に言うなら「日本人は売上を伸ばす努力をしなければ、自分が出している売上を元に経営サイドと給与交渉をしないからいつまでたっても賃金が上がっていかない」のです。

 

 「なんとなく頑張っていれば賃金は上がっていくはず」という幻想はもう捨てないといけない局面に来ています。世情として「勤続年数が上がれば給料は上がっていくべきだ」という考えは分からなくもありません。でも給料を上げるにはそもそも労働者が売上を作ってくれないことには物理的に不可能なのです。無い袖は振れない。

 高度経済成長の頃の日本は世界に比べて国民自体が勤勉かつ手先も器用だったので製品を作れば品質もよく、それでモノが世界にガンガン売れました。ですのである意味で目の前の仕事をただガムシャラに頑張っていれば賃金は上がっていったのです。ですが今では世界のモノづくりのクオリティが上がって、単純にモノを作っているだけじゃ売れなくなってしまいました。

 いやね、賃金が低いから雑に働きたいっていうならやればいいと思いますよ。でもその「低い賃金には雑な労働」戦法一本槍でこれから10年20年先戦うつもりですか? それで給料は上がっていくんですか?

 自分のスキルも磨かず仕事の効率化もせずにそんなことやってたら我々が大っ嫌いな「いい歳して文句だけは一人前な何もできないジジイ」になってしまいますよ。「賃金低いなら雑に働くわ」なんていってる60歳のジジイがいたら世間はどう対応しますよ。

 日本のように資源がなくて輸入に頼らざるを得なく、毎年一定額お金が海外に流出してしまう国で「雑に働こうぜ!」なんて自分で自分の首を絞めるようなものです。何よりもこういう言説を吐く人って意外とフリーランスが多くて辟易するんですよね。お前、売上と給与のシステム、重々分かってんだろ。そうやって周りを頑張らせなくして自分だけ得をしようとすな。

 ここからはちょっとしたポジショントークですが、もう日本人は全員エンジニアになってソフト開発やればいいんですよ。資源のいらないソフト開発やって英語勉強して海外にガンガン輸出して外貨を稼ぐ。みんながそうやって1ドルでも1ユーロでも稼ぐようになれば日本は豊かになれるんですよ。

 だから「賃金が低いから雑に働く」なんて誰も幸せにならない、絶対にNGな戦略なのです。

-考え方

© 2024 名古屋とエンジニアリング