多くのビジネスパーソンが悩みを抱える「習慣化」。それこそスキルアップの勉強や筋トレなど、自分のキャリアにとってプラスになるはずのアクティビティがなかなか続けられないと嘆く方は多いかと思います。
僕自身そういった習慣化に関する本は山程読んできましたし、今まで幾度となく習慣化には失敗してきてます。多くの習慣術メソッド本では「慣れの力を利用しましょう。最初は小さい目標から始めて、3ヶ月続けられたらもう大丈夫。もう続けることが苦じゃなくなっているはずです!」なんて書いてあったりしますが、現実はうまくいくはずもなく。
そんな僕も幾多の紆余曲折を経て今では毎日最低1時間以上のスキルアップの勉強や週3~4のジム通いを3年近く継続しています。勉強の結果としては一人でC言語のプログラムを5000行ぐらいサクッと書けるようになりましたし、TOEICも875点を取得。MOS&VBAエキスパートの資格も取得して、現場で業務の効率改善をゴリゴリと行っています。
ここまで習慣化が出来るようになってみて思うのが、多くの習慣術メソッド本が語る「慣れと習慣化」ってちょっと正確じゃないなということです。
正直3ヶ月物事が継続できたからって、それは「理論的には一生継続が可能」ということを証明できただけで「実際に一生に継続可能かどうか」とはあまり関係ありません。嫌なものはや嫌だし、3ヶ月何かを続けられたからと言って4ヶ月目にそれが一気に楽になるものでもない。
例えば多くの人がなんとなくしたいと思っている早起きだって、我々ビジネスパーソンは平日5日間はどれだけ調子が悪くても朝7時になればどうにかこうにかベッドから出てちゃんと出社するじゃないですか。ところが休日になると昼の12時まで寝てるという人は少なくないでしょう。
でもこれっておかしな話で、一週間の半分以上を7時に起きる生活を何十年としていても、休日になると途端に起きれなくなるというのは「慣れと習慣化」という観点から見ると全く理論に即していません。
他にも怠惰な生活を極めて毎日昼の12時以降に起きる大学四年生も、4月1日で新社会人となればその日を境にちゃんと朝7時に起きれるようになります。
このように、実は物事が習慣化出来るかどうかと、その物事に慣れているかどうかなんて全く関係がないんですね。
じゃあ習慣に出来るものと出来ないものって、一体何が違うのかと言うと「本人がその物事に対して、クリティカルにメリット・デメリットを体感できているどうか」なのです。
ビジネスパーソンにとって平日朝7時に起きて会社に行くことは自分の給与に関わってくることなので、遅刻すれば評価も下がって最悪クビになれば食うに困るようになりかねない。ここではクリティカルにデメリットがある。だからちゃんと朝には起きて出社する。
でも休日朝7時に起きることは何のデメリットもないばかりか、遅く起きたほうが体力が回復するのでむしろ遅く起きることにメリットが有る。そんな状況では当然早起きできません。
同じようにスキルアップの勉強やジム通いだって、頭ではメリットが有ることは理解できるけども、体感としてクリティカルにメリットを感じられるのには時間がかかります。
1日1時間勉強したところで1年で300時間。仕事で言えばハードに残業した1ヶ月分で、これだけでは人より抜きん出た成果はなかなか出せないでしょう。
筋トレだって週4で通っても体の変化なんてほぼ分かりません。ネット上には劇的なビフォーアフター写真が多く載っているので体つきは簡単に変えられそうに思ってしまいますが、現実問題としてなかなか変わらないので意気消沈してしまう。
僕も勉強と筋トレを3年近く継続して、今でこそそこまで苦ではなくなりましたけど、ほんとについ最近の2年半までは嫌で嫌で仕方ありませんでした。でもそのマインドが変わったのってTOEIC860を突破して海外のYouTubeが理解できるようになったり、VBAを覚えて仕事が圧倒的に効率化出来るようになったり、体が大きくなって鏡を見るのが楽しくなったりと、体感として勉強のメリットがクリティカルに感じられたときなんですよね。
だから習慣化において大切なことは「慣れ」でも「小さい目標から始める」ことでもなくて、「クリティカルにメリット(orデメリット)を体感すること」なんです。
だから最初のうちは「短時間で確実に成果が出て、かつ、それが実生活で役に立つ」ようなことを始めたらいいと思います。
具体的に言えば僕はExcelをオススメしているのですが、Excelは使用頻度が高い割に機能を正しく使いこなしている人があまりにも少なく、少しの勉強で大幅な作業の効率改善が図れるのです。
勉強を継続できないという人の多くがいきなり「簿記」「宅建」「FP」などの、取得するのに半年から1年かかるような大掛かりな勉強になる割には、そこで覚えた知識を実生活でゴリゴリと使っていけないようなもの始めてしまう傾向にあります。
だからまずはいつも使っているものであまり機能を熟知していないものの機能を理解することから開始するといいでしょう。
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