これまでの経緯
- 新卒で就いた事務職がブラックで人生に行き詰まる
- スキル次第で年収を上げられるエンジニアに転身
- 本業は組み込み系エンジニアをやりつつ、Web系も勉強
- Web系は才能がないと挫折する
- 組み込み系で転職活動をするものの、キャリアやスキルが弱く、面接で心を折られる
- キャリア&スキルの補完のため電子工作/Excel/英語ができるようになる
- 大手企業から内定が出て、当初の目標通り年収150万円アップ
- メーカーでの仕事に邁進しつつ、FP3級/簿記3級/基本情報に合格する
- 激務やスキルの身につかない担当業務により、自分のキャリアを見つめ直す
- 株で儲かり、フィリピン英語留学を決意する(前回)
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怠け者サラリーマンが1日1時間勉強を6年続けてみた
これまでの経緯 新卒で就いた事務職がブラックで、人生行き詰まる スキル次第で年収を上げられるエンジニアに転身 -------------勉強開始・ブログ開設------------- 本職である組み込 ...
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フィリピン語学(英語)留学へ向けての準備
前回の怠け者サラリーマンシリーズの最後ではフィリピン留学への決意を口にしていましたが、そちらも正式に行くことになりました。
会社を辞めて留学に行く理由を改めて述べると、一言で言えば「エンジニアとしてプログラミング以外でもう一つ別の稼げる武器を持ちたかったから」になります。
サラリーマンに向いていない
僕はFラン文系私立大学卒業から手八丁口八丁でここまでやってきましたが、エンジニアとしての確固たる技術力がないのが悩みでした。特に1年前の2024年4月時点で在籍していた前の会社はそれなりの大手メーカーであり、プロパー社員は1人で4~5人の協力会社さんを抱え、日程管理をするばかりで技術力が全く身につかないという状況。開発の実務は協力会社さんに丸投げで、中長期的に見てこの会社に長くはいられないなと思いました。
今自分がいるプロジェクトを半永久的に続けられるのであればよいのですが、変革の激しい昨今のIT企業ではそれがどうなるかは誰も分かりません。これがもしも40代や50代である日自分の担当プロジェクトが中止となって、別チームに吸収され、「一旦はメンバーとして開発をやってくれ」と言われても何もできないオジサンが誕生するだけです。将来のことを考えると不安でたまりませんでした。
労働組合もあるそれなりの大手なので、腹を括って会社にしがみつけばそれはそれで食うには困らないでしょう。実際給料も他の企業と比べて良かった方だと思います。でも将来に不安を抱えながら、楽しんで仕事ができない今の生き方は嫌だなと思ったんです。
それに自分はサラリーマンという働き方に限界を感じていました。誰に言われるわけでもなく組織のために献身的に動き回る自分は、傍から見ればサラリーマンに向いていたと思います。しかし、そういった「組織が円滑に回るための調整」というのは数値化できるものではないので、自分の労力に対して給料にはなかなか反映されづらい。そうやって組織のために動き回る人間より、チームのことは考えずめんどくさい仕事は他人に押し付け、数字が挙がる仕事だけを実直にこなす、ある意味でサラリーマンに向いていない人間ほど評価されてしまうものです。その点で自分はサラリーマンに向いていないのだなと痛感することが今までの社会人人生で多くあったのです。
それに会社の規模が大きくなれば大きくなるほど意味のない無駄な業務も多くなります。(旧)弊社の場合もISOの関係で毎月20~30時間ほどかかる無駄な工数報告をさせられていました。あくまでもISO対応の一環でやっている数字遊びに過ぎず、工数を報告したところで誰かが何か便宜を図ってくれるわけでもない。ただでさえ技術力がなくて焦っている所に無駄な作業をやっている時間はないのです。
自分が勝てる武器
今後の自分のビジネスパーソンとしてのキャリアを考えたときに、自分はエンジニアリングスキルを身につけるのと同時に、もう一つ別の「稼げるスキル」を身につける必要があると感じました。今自分ができるもので、どの現場でも需要があるもの。 ―それが英語です。
既に5年前に転職の際の武器の一つとしてTOEIC875点を取得してはいたのですが、実際に業務で英語を使う機会などはなく、あくまでも「転職の際の武器」のまま眠らせてしまっていました。僕はあくまでTOEICに特化した勉強をしていたので読む:聴くはできるのですが、話すとなるとサッパリです。当時は一応オンライン英会話を使って話す訓練もしていましたが、やはり1日30分のレッスンを毎日続けたところで埒が明きません。
それに留学をして一定期間現地に住んでしまえば「私は海外出張も可能です」と証明ができます。
特に昨今は誰も海外赴任に行きたがらないので、海外赴任可能というのは転職の際に大きな武器になると考えたのです(実際に行くか行かないかは別として)。
留学前の勉強
自分は「英単語暗記至上主義」なので、ひたすら単語を覚えていました。
単語帳アプリ『Anki』を使ってゴリゴリと単語やフレーズを覚えていきまして、現地にさえ行ってしまえば話す機会はいくらでもあるので、まずはそのストックを作ろうと思ったのです。留学前の勉強としてはそれぐらいで、特に奇をてらった勉強は特にしていなかったですね。留学前はもっと勉強できるかと思ったのですが、仕事の引き継ぎがそれなりに忙しかったこともあって1日1時間程度が限界でした。
そして英語とは別に応用情報技術者試験の三度目の受験をしていたのですが、やっと合格しました。留学から帰って転職活動をするので、これで留学前に取っておきたい資格は一通り取れました。
会社を辞めた日ですが、正直に言うと「俺は30歳を超えて仕事を辞めてキャリアに穴を空けたのか」と恐怖感に襲われ、足腰がガクガクしました。退職の意を上司に伝えたぐらいは「俺は留学に行って英語ペラペラになって、キャリアアップしてやるんだ!!」とやる気に満ち溢れアドレナリンが出ていたから良かったのですが、退職日が近づくにつれ「俺、ほんとに辞めるのか…」と段々怖くなったんですよね。それで最終日は足腰をガクガクさせながら会社のオフィスを出て、家に着く頃には生まれたての子鹿のようにプルプルして、なんとか玄関に入ってへたり込んでしまいました。
フィリピン語学留学
詳しくは毎週留学体験記を書いていたので、そちらを参照ください。
いや~留学の3ヶ月間、本当に苦しかった。帰国ギリギリまで英語は喋れないし、ずっと体調も悪いし、何もかもが最悪でした。到着一週間目こそ元気でしたけれども、そこからはずっと腹痛。二ヶ月目は咳が止まらず、やっと寝付けても夜中に咳で起きてしまうという始末。調子が良かったのはラストの1週間ぐらいだけでしたね。
英会話力について帰国1週間前まで、つまり2ヶ月と3週間はずっと思うように話せず「こんな英語力で日本に帰れないじゃん…」と陰鬱になっていたのですが、ラストの1週間で猛烈な英会話力の向上を見せ、あくまでも日常会話レベルですけども一応問題なく英語は話せるようになりました。流暢ではないけれども自分の意志は問題なく伝えられ、少なくとも英語圏であればどこでも生活する自信がつきました。
自分は間違いなく学校でトップ10に入るぐらい勉強をしましたし、英語力の下地もあるのにここまで苦労するとは思いませんでした。しかし終わってみればフィリピンでの生活は何もかもが良い経験になったと思います。
初日は学校周りのあまりの物騒な雰囲気に「とんでもないところに来てしまった」と帰りたくなりました。最初の一ヶ月は片道5分のスーパーに行って買い物をするだけでも心臓がバクバクしていました。でもしばらくするとひとりでショッピングモールに行って買い物をしたり、現地の店員さんとコミュニケーションを取りながら商品を選んだりするのはともて楽しかったです。
この経験は間違いなく今後の人生の礎となるでしょう。
帰国後、無職の転職活動
帰国後は当然のごとく無職となり、そこから転職活動を開始しました。
当初は留学中からSPIの対策を始めて、帰国と同時に応募を開始したかったのですが、思った以上に現地で英語力が伸びず英語の勉強に専念。帰国直後はそこから身の回りの整理などもあり、一ヶ月ぐらいしたところで活動を本格化させました。
無職生活はツラいよ
無職生活を始めるにあたって色々手続きをしないといけないのかと憂鬱になっていましたが、この辺りの手続きは驚くほどスムーズに進みました。お役所への申請もマイナカードが持っていれば10分ぐらいで終わりましたし、雇用(失業)保険の手続きも言われるがままに驚くほど早く終わりました。確定申告も別に副収入を得ていなければWeb申請で一瞬で終わるので、無職になったからといって面倒な手続きはほとんどありませんでした。
とはいえ無職になったら副業とか色々やってみようと思っていましたが、驚くほど何も出来ませんでした。サラリーマンとして時間に追われていたときのほうが色々できていました。時間が無限のようにあると何をするにしても「まぁ、もう少しあとでもいいか」と思ってしまって、延々と作業を後回しにしてしまうんですよね。
「無職はいいな」と憧れていた時期もありましたが、実際に無職をやってみると規律がなくなるので、人としてダメになってしまいます。一度無職の怠惰な生活をやってしまうとそこから抜け出すことは非常に難しいと思います。ニートを1年以上やって、そこから仕事をするなんて不可能でしょう。フルタイムでなくても良いので仕事は続けるべきです。
楽しかった転職活動
次の仕事としては「技術力が身につき、かつ、サラリーマンの煩わしい業務から解放されるフリーランス」としてエンジニアをやりたいと思っていました。しかしどうせ無職として転職活動をし、時間もあるわけですから、フリーランスになる前にまずは自分が前々から受けてみたいと思っていたプライム企業に片っ端から応募してやろうと思ったのです。
プライム企業の選考結果は以下の通り。
- 東証プライム上場企業に5社応募
- 4社書類通過
- 1社最終選考実施(結果としては不合格)
書類は思った以上に通りました。ただそこからの面接で年齢的なところと自分の実務経験が他の応募者に比べてマッチしないということで結局は通りませんでした。とはいえ新卒なら絶対にリーチできなかったであろうプライム企業にあと一歩というところまで迫れたのは大きな自信となりました。これが新卒のときであれば応募したところでWebの画面に「ご応募ありがとうございました」と表示されても大学フィルターで企業にデータすら届いていなかったと思います。
今回の転職活動は非常に楽しく、キツイこともほとんど言われませんでした。職務経歴書もゴリゴリに書き上げていきましたし、面接の中でもパワポを持ち込んで業務内容を詳細に説明したので、あとは募集ポジションと僕のスキルのマッチング度合いを測るだけだったのでしょう。「面接」というよりかは「確認」という感じでした。
フリーランスの組み込み系エンジニアとして活動を開始した
プライム企業への応募は上記のような結果となり、結局のところ当初の計画通りフリーランスのエンジニアとして活動を開始することになりました。とはいえ準委任契約として「自社オフィスに出勤して、毎月○○時間以上働いてね」といった働き方なので、実態はサラリーマンと変わらないのですが。
当初はフリーランス専門のエージェントを通じて案件を探していたのですが、結局は既にフリーランスとして活動している友人の紹介で企業と直契約が取れました。
業務内容は自分が志望していた「低レイヤーの実装」となりますので、仕事は申し分がないです。どこの業界でも通用するような技術が身につけられるので、この仕事を3年もやっていればあらゆる現場で活躍できるようになります。それに給与額というか単価についても年収で言えば前職から100万近く上がることになるので、お金の面でも非常に満足しています。
ただ今まで自分はゴリゴリとコードを触ってきたわけではないので、なかなかキツイところはあります。でも「技術力がないのが悩み」として今の現場に飛び込んできたので、そこはなんとかしがみついて技術力を身に着けてやります。
とはいえフリーランスになってみて不安なことは色々とあります。僕のような組み込み系のエンジニアは猛烈な人手不足で需要が無くなることはないものの、リーマンショックやコロナショックのような不景気が訪れれば即ハシゴを外される訳です。なので常に次の一手を考えておかなくてはなりません。それに今は自分もまだそこまで歳がいっているわけではありませんが、このまま40歳や50歳を過ぎてもフリーランスのままイチ個人で働き続けるのは可能なのか? という問題もあります。それに企業との直契約によって単価こそ上がっていますが、今後の単価交渉や何かあったときに間に入ってくれる人がいないので、何もかも自分で対応しなくてはなりません。
悪い結果になっても、挑戦するということ
たとえ悪い結果になっても挑戦するのは大切だし、挑戦した結果は後々の人生にどう影響するか分からないなと思います。
そして挑戦した経験は、大抵その後の人生に良い影響を与えます。
僕は数年前にFP3級を勉強して投資の仕組みを知り、NVIDIAに投資してみてそれが儲かり、留学に行けることになりました。留学に行ったとて結果として今の仕事は英語を使うことはほとんどない業務に就いていますが、それでも行ってよかったなと思います。
日常会話とビジネスレベルには大きな隔たりがあり、自分はビジネスレベルの英語力に到達するのは難しいと知れました。とはいえ留学に行ってみて海外で生活する自信はつきましたし、ビジネスレベルには行けないものの、その気になれば英語で小銭を稼ぐことは出来そうです。自分の武器が増えるということは心に余裕が出て、日々の生活にとてもよい影響を及ぼします。もし自分が留学に行かず普通に転職していたら「あぁ、自分は留学に行っていたらまた違った人生になっていたのでは」と後悔していたでしょう。
自分は同様に簿記3級も勉強していたのですが、簿記をやっていたおかげでフリーランス(個人事業主)としてもやっていけるだろうと思えました。FP3級もあり、サラリーマンとフリーランスの違いも理解できていましたし、簿記のお陰で帳簿もどのようにつけたらいいか分かっていたので、フリーランスになることの恐れもそれほどありませんでした。これがもしも両方の資格を取っていなかったら「フリーランス? 怖い! いやっ!!」となって、一生ブツブツ言いながらサラリーマンをやっていたと思います。
このブログを書きながら「どこの現場でも活躍できるようなエンジニアにならなければ」と意識しながらキャリアを積んできたので、他にも応用情報の合格や、TOEICのハイスコアもあり、「まぁ今の自分のキャリアで『仕事が見つからない』ということはないもんな」と思えたのも大きなポイントです。
何でも挑戦してみて、ダメならダメで後悔することはあまりないんですよね。特に自分の場合はブログを書いて逐一「挑戦した結果どうなったか」を報告していたからこそ分かるのですが、何かに挑戦してみてダメでも、また別の道が見つかるだけなんですよ。
少なくとも未経験からエンジニアになってブログを書き始めてからは何一つストレートにうまくいったことはなくて、Web系に挑戦してプログラミングスクールであるTechAcademyに高い金を払っても結局「向いてない」と挫折したし、組み込み系で転職しようとするもキャリアが貧弱すぎてことごとく不合格になるし。
でも挑戦することで自分の向き不向きが分かるし、弱点も明確になる。そういった悪いポイントが明確になるとあとは対策するだけなんですよ。
事務職をやって年収が一切上がらず「俺は将来どうなるんだろう」という漠然とした不安感を抱えながら生きていたあの時代を考えると、今ではスキルも上がり、年収も倍以上になり、中長期的な不安はそこまでなくなりました。
「技術力を身に着けたい」とフリーランスでの活動を開始した昨今。仕事は非常にやりがいを感じています。
今はまだ現場に入って分からないことだらけですが、何とか今の仕事をこなして、どこの現場でも仕事ができるポータブル人材になれるよう頑張りたいと思います!
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